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大津の劇弾でメキシコに競り勝つ、U-23代表は連勝で五輪本番へ

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[7.21 国際親善試合(U-23) 日本2-1メキシコ ノッティンガム]

 ロンドン五輪に出場するU-23日本代表は21日、英ノッティンガムでU-23メキシコ代表と国際親善試合を行い、2-1で競り勝った。日本は前半1分にMF東慶悟のゴールで先制すると、同39分に追いつかれたが、後半42分に途中出場のFW大津祐樹が決勝点。DF吉田麻也、DF徳永悠平のオーバーエイジ2人が初めてそろって先発した五輪前最後の強化試合を制し、日本はいよいよ26日のグループリーグ初戦でスペインと対戦する。

 日本は18日のベラルーシ戦(1-0)から先発2人を変更。大津、DF酒井高徳がベンチスタートとなり、代わって東、徳永が先発した。1トップにはFW永井謙佑が入った。
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 試合はいきなり動いた。開始1分、相手陣内で敵のパスミスをカットしたMF清武弘嗣が右サイドに展開。スペースに抜け出した永井がグラウンダーのクロスを入れると、走り込んだ東が難なく押し込んだ。

 東のU-23代表でのゴールは昨年11月22日の五輪アジア最終予選・バーレーン戦(2-0)以来、約8か月ぶり。幸先よく先制すると、その後はメキシコにボールを持たれる時間が増えるが、コンパクトな守備と前線からのチェイシングでメキシコのパスサッカーを封じ、粘り強い試合運びを見せる。メキシコは前半13分にCKのカウンターから最後はDFレイエス、同28分にはMFアキノがミドルシュートを狙うが、攻撃は単発だった。

 日本も先制後はなかなかシュートまで持ち込む場面をつくれず、試合はこう着状態に入る。前半39分にはDF鈴木大輔が自陣からロングフィードを入れ、相手のクリアミスを突いた清武がすかさずループシュートを狙うが、ゴール直前でDFがクリア。惜しくも追加点を奪えず、直後に同点ゴールを許してしまった。

 前半39分、メキシコはカウンターからアキノが右サイドを駆け上がると、中央に入れたボールをMFエレラがワンタッチで落とし、FWファビアンが右足を一閃。PA手前から放った弾丸ミドルがゴール右に突き刺さり、1-1の同点に追いついた。

 それまで決定的なチャンスは与えていなかった日本だが、相手の個人技とも言えるスーパーミドルで悔やまれる失点。前半45分にはMF扇原貴宏のスルーパスから左サイドをスピードで突破した永井のクロスに清武が右足ボレーで合わせるが、シュートは枠を捉えられず、前半を1-1で折り返した。

 日本はなかなかボールに絡めなかったMF宇佐美貴史に代えてFW齋藤学を後半開始から投入。両チームともに勝ち越しゴールを目指すが、後半も拮抗した時間が続いた。ボール支配率で上回るメキシコに対し、日本も粘り強く対応していたが、徐々に最終ラインが下がりだし、中盤でスペースを与えてしまうようになる。後半13分、17分には立て続けにCKからシュートを許し、ヒヤリとする場面をつくられた。

 メキシコは後半20分、FWペラルタに代わって、フル代表として南アフリカW杯にも出場しているFWジオバニ・ドス・サントスを投入。日本は同22分、扇原に代えてDF山村和也をボランチに入れると、同24分には永井に代えてFW大津祐樹をピッチに送った。

 後半、シュートらしいシュートもない日本。後半31分、齋藤のスルーパスに東が走り込むもトラップが大きくなり、シュートは打てない。同34分には徳永に代わってDF酒井高徳が左SBに入った。後半37分のピンチもPA内で何とか体を張り、最後はDF酒井宏樹がクリア。メキシコは同40分、カウンターからドス・サントスが抜け出し、前に出てきたGK権田修一もかわされるが、FWヒメネスのシュートは無人のゴールを大きく外れる。相手のフィニッシュの精度の低さにも助けられ、1-1のまま試合は終盤に入った。

 日本は後半41分、東に代えて2戦連発中のFW杉本健勇を投入。すると同42分、前線で杉本が競り合ったこぼれ球を大津がPA手前から右足ダイレクトで振り抜く。右45度からの豪快なボレーシュートがゴールネットに突き刺さり、勝ち越しに成功した。ロスタイム3分を含め、最後まで集中を切らさなかった日本はそのまま2-1で逃げ切り、現地での強化試合2連勝を飾り、五輪本大会に弾みを付けた。

(取材・文 西山紘平)

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