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香川が代表初ゴールも、消化不良の1-1ドロー

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[10.9 キリンチャレンジ杯 日本1-1UAE 東北電ス]

 キリンチャレンジカップ2008が9日、新潟市の東北電力ビッグスワンスタジアムで行われ、15日にW杯アジア最終予選・ウズベキスタン戦(埼玉)を控える日本代表はUAE代表と対戦した。後半27分に途中出場のMF香川真司(C大阪)が代表初ゴールとなる先制点を決めたが、後半32分に追いつかれ、1-1の引き分けに終わった。

 日本は4-4-2のシステムで、GK楢崎正剛(名古屋)、4バックは右から内田篤人(鹿島)、中澤佑二(横浜FM)、寺田周平(川崎F)、長友佑都(F東京)。中盤は稲本潤一(フランクフルト)と長谷部誠(ボルフスブルク)がダブルボランチを組み、右サイドに中村俊輔(セルティック)、左サイドに大久保嘉人(神戸)が入った。2トップは玉田圭司(名古屋)と岡崎慎司(清水)の組み合わせで、岡崎が先発でA代表デビューを果たした。
 UAEは中盤をダイヤモンド型にした4-4-2。03年世界ユース選手権でMVPに輝いたエースのFWイスマイル・マタルが2トップの一角に入った。

 出足の良いチェックで高い位置からプレッシャーをかける日本は開始3分で決定機を迎えた。岡崎が中盤での早いプレッシャーからボールを奪うと、前線にスルーパス。玉田はドリブルで抜け出しかけたが、後方からDFに倒され、ファウルを獲得した。右45度の絶好の位置で得たFKのチャンスに中村俊が左足で直接狙うが、シュートはGKの正面に飛んだ。
 その後も、運動量が多く、しかも全体が連動した攻撃でチャンスを量産する。前半13分、中村俊のサイドチェンジを受けた内田が岡崎とのワンツーから左足でミドルシュートを打つも、ゴール上へ。同14分には中村俊がPA内の岡崎にスルーパスを送ると、岡崎が反転しながら左足で狙ったが、シュートはミートせず、GKにキャッチされた。その1分後にも岡崎が絶妙な動き出しで中村俊からのパスを引き出し、玉田につなぐと、稲本が前線に飛び出す。玉田から稲本へのパスはわずかに長くなったが、惜しいチャンスの連続だった。
 パスが小気味よく回り、2列目からの飛び出しも積極的な日本に対し、UAEはボールの奪いどころがなく防戦一方となった。日本のプレスに対応しきれず、ボールを前に運べない。ファウル、警告もかさみ、日本は前半26分、長谷部の左FKに寺田が頭で合わせる決定機もあった。
 UAEにとって前半唯一のチャンスとなったのは前半34分。長谷部のパスミスを奪ってマタルにつなぎ、マタルが右足でシュートを打つが、DFの体に当たった。
 日本は前半38分に稲本、同41分に玉田、同45分に大久保と何度となくシュートチャンスがあったが、ことごとく決め切れず。ゴールだけが足りなかった前半の45分間だった。

 後半開始から寺田に代わってDF高木和道が入った日本は前半同様、立ち上がりにセットプレーのチャンスをつかむ。後半3分、中央やや右寄りの位置のFK。当然、ここも中村俊が左足で直接狙ったが、GKの好セーブに阻まれた。
 後半10分にはこの試合最大の決定機をつかむ。玉田が右サイドを抜け出すと、岡崎がニアサイドに走り込んでスペースをつくり、玉田はマイナス気味に大久保へクロス。大久保は完全にフリーだったが、シュートは大きくゴールの上へ外れた。
 後半12分には玉田を下げ、FW興梠慎三を投入。すると1分後、興梠が右サイドのスペースに飛び出し、中村俊からスルーパスが届く。しかしクロスをファーサイドで受けた大久保はシュートではなく、クロスを選択し、GKにキャッチされた。
 押し込みながら先制点の入らない日本は後半20分にMF中村憲剛、同26分にMF香川真司をピッチに送り込む。その直後の27分、大久保からの右クロスを頭で合わせた興梠のシュートはゴールポストに弾かれたが、こぼれ球を内田が拾ってゴール前に折り返すと、香川が右足で押し込み、待望の先制点を決めた(得点シーンはコチラ)。
 ところが5分後の後半32分、一瞬の隙を突かれ、同点に追いつかれる。途中出場のFWアルハマディが鋭い切り返しで中澤を振り切り、右足でゴール右に流し込んだ(得点シーンはコチラ)。
 日本は後半37分にFW巻誠一郎とFW佐藤寿人を入れ、勝ち越しゴールを狙った。後半37分には香川が右クロスを胸トラップし、右足ボレー。同43分にも香川は興梠のクロスをフリーでヘディングしたが、いずれもゴールの枠を捉えられない。後半45分には佐藤の右サイドからの折り返しに興梠が飛び込んだが、ゴールならず。試合はそのまま1-1で終了。圧倒的に攻め込みながら勝ち切れず、消化不良の一戦となった。

[本日の得点図解はコチラ]

(取材・文 西山紘平)

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