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[選手権]MF野村、大迫勇と共に4試合連続弾!!(滝川二vs鹿児島城西)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[1.5 第87回全国高校サッカー選手権大会準々決勝 滝川二(兵庫) 2-6 鹿児島城西(鹿児島) 三ッ沢]

 4試合連続ゴールはFW大迫勇也(3年)だけではない。大迫勇と共に2トップを組むMF野村章悟(3年)も4試合連続でゴールを決めてみせた。

 「試合前、今日も点とろうなって(大迫)勇也と話してました」。野村は準々決勝・滝川二(兵庫)との試合にゴールを誓って臨んだが、序盤から身体が重くいつものようにプレーにキレがなく精彩を欠いた。前半1発目のシュートでミスキックをし、「今日はダメかな」と野村は下を向いた。しかし、その時に檄を飛ばしてくれたのが相方の大迫勇だった。「下を向くな。お前が下を向くとチームに元気がなくなるんだ。ミスしたって上を向いてやり抜こうぜ」。この言葉で何かが吹っ切れたという野村は、その後の前半24分に大迫勇のゴールをアシスト。そして前半36分には、大迫勇のアシストで野村自身が4試合連続となるゴールを右足で決めた。野村は「良いパスが来たので決めるだけだった。勇也に助けられたゴールです」と相方に感謝。2トップが揃って4試合連続ゴールを叩き込む快挙を成し遂げた。

 4試合連続ゴールを決めても、野村の口は重かった。「得点できたのは素直に嬉しいけれど、パスミスもしたし今日は個人的にダメでした」。次の試合でも得点する自信はあるかと尋ねてみた。「自分にしても勇也にしても、次も得点をとれるとは限らない。だからチーム全員気を引き締めて臨まないと痛い目にあうと思う」。野村にしても大迫勇にしても、全く浮かれることなく、どこまでも自分たちに厳しく日々の選手権を戦っているのが窺える。「ただ、うちは守備をきっちりとやって、しっかり点をとってきた。失点しても得点をとり続けることで勝ち続けてきた自負はある。この先もみんなで点をとって優勝したい」。チーム全員で得点をとり続ける。これが鹿児島城西のサッカーだ。今大会も8失点という失点の多さを22得点という圧倒的な攻撃力でカバーしてきた。その中心にいる野村は、少なからず優勝への手応えを感じているのだろう。

 最後に、自身の強みを聞いてみた。「勇也は高い技術やプレーでチームを引っ張れる。でも自分は勇也とは違って、率先して声を出したり盛り上げることでチームを引っ張ってきた。地味かもしれないけれど、そういうところも見てほしい」。互いに励まし合い競い合い、3年間サッカーをやってきた。このメンバーで試合出来るのは、多くてもあと2試合。最高の形で3年間のサッカー生活を締め括ることができるのか。準決勝の前橋育英(群馬)戦、鹿児島城西の2トップに注目だ。

<写真>鹿児島城西・野村は4戦連発
(取材・文 山口雄人)

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