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[選手権]監督との信頼関係が生んだ決勝点、広島皆実・金島が待望の初ゴール(広島皆実vs鹿島学園)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[1.10 第87回全国高校サッカー選手権大会準決勝 広島皆実(広島)1-0鹿島学園(茨城) 埼玉]

 監督の胸に飛び込んだ。後半12分、値千金の決勝点を決めたFW金島悠太(3年)はゴールを決めた直後、ベンチの藤井潔監督(35)のもとへ全速力で駆け寄った。「県の準決勝からゴールがないのに、ずっと僕を使ってくれて。一番に監督のところに行きたかった」。試合後、照れくさそうに笑った。

 今大会待望の初ゴールだった。広島県大会で大量9ゴールを記録したが、県大会準決勝から全国大会の準々決勝まで公式戦6試合連続のノーゴール。金島は「焦りはあった」と正直な胸の内を明かしたが、そんな苦悩のエースを支えたのが藤井監督の言葉だった。「前の試合が悪くても、これまでの1年間の取り組みがあるから、俺はお前を使い続ける」。そう声をかけ続けてくれた監督の信頼を裏切るわけにはいかなかった。「期待に応えられてよかった」。金島は安堵のため息をついた。

 決勝で対戦する鹿児島城西(鹿児島)とは、これまでに3回、練習試合をやって3戦全勝だという。「イメージはつかめている。攻撃は強力だけど、うちのDFラインは抑えてくれると思うし、自分たちは点を取ることだけを考えたい」。この一発だけで“みそぎ”が済んだとは思っていない。2戦連発ゴールでチームを優勝に導いてこそ、エースとしての責任を果たせることになる。

<写真>決勝点を決めたFW金島が藤井監督に駆け寄る
(取材・文 西山紘平)

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