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【特集】09年J1ニューフェイスの決意(第2回、大宮・藤田祥史)

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 「自分の力がJ1でどこまで通用するのか。もっと上のレベルでチャレンジしたかった」。今季、鳥栖から大宮アルディージャに加入したFW藤田祥史(25)は、目をギラつかせて移籍の理由を語った。

 「新天地でのステップアップ」。これが今季のキーワードだ。この3年、J2のピッチで暴れ回ってきた。関西大学リーグで得点王2回、アシスト王1回という輝かしい成績を残した立命館大を経て、06年に鳥栖に入団。プロ1年目こそ4得点と不本意な結果に終わったが、07年にはチーム新記録となる24ゴールを量産し、J2日本人得点王となった。昨季もJ2得点ランキング3位の18得点を記録。「J2ではある程度の結果、自信を掴めた」という言葉にも説得力がある。

 新たな挑戦となる大宮でファンにどこを見てほしいか聞いてみると、「まずはFWとしての得点能力。それからFWだけど、しっかりとした守備力、前からの果敢なチェイシングを見て欲しい」という答えが返ってきた。鳥栖での3年間で、守備への意識は格段に高まった。大学時代は守備をチームメイトにほぼ任せ、自身はゴール前に張り付いて得点だけを狙うスタイルだったが、「鳥栖ではそれではやっていけなかった」。J2でもまれることで、幅を広げたストライカーは「僕が大宮に入ることで、走るサッカーのイメージがチームの色として定着してほしい」と自信たっぷりに語った。

 「J1で誰と最も競りたいか」という質問には「浦和の闘莉王」と即答した。とにかく強い選手と相対し打ち勝ちたい――そんな気持ちが伝わってくる強い眼差しだった。相手が強ければ強いほど燃える。今年のさいたまダービーが無性に楽しみになってきた。

(取材・文 山口雄人)

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