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【特集】09年J1ニューフェイスの決意(第8回、広島・原裕太郎)

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 18歳の大型GKが守護神争いに名乗りを上げた。広島ユースからサンフレッチェ広島にトップ昇格を果たした元U-17日本代表GK原裕太郎(18)は21日の新加入会見で「今年、1試合でも多くの試合に出られるように頑張ります」と誓った。

 高卒ルーキーの堂々宣言。それもそのはずだ。まだユース所属だった昨年6月25日の徳島戦で初のベンチ入りを果たすと、J2で計12試合に第2GKとしてベンチに入った。昨シーズン開幕から正GKを務めてきたGK木寺浩一(36)が6月に右肩を脱臼して手術に踏み切るなど長期離脱を強いられ、GK下田崇(33)も昨年7月に左ひざの軟骨を手術。第1、第2GKの相次ぐ戦線離脱によってめぐってきた千載一遇のチャンスだった。出場機会こそなかったものの、メンバーの一員としてチームに帯同することでプロの雰囲気、レベルをひと足早く体感できたのは貴重な財産になった。

 広島ユースでは高校2年からレギュラーをつかみ、07年の高円宮杯全日本ユース選手権準優勝などに貢献。年代別代表にもU-15から選ばれ、07年8月に韓国で開催されたU-17W杯でもU-17日本代表のメンバーに名を連ねた。

 187cmの恵まれた体格を生かし、ハイボールへの強さには定評がある。足元のテクニック、キックの精度も高く、「GKとして守るだけでなく、攻撃の起点となるキックが得意なのでアピールしていきたい」と本人も言う。広島のペトロヴィッチ監督は“オシム流”とも言える徹底したショートパスをつなぐサッカーを志向している。GKもビルドアップに加わり、攻撃の第一歩としての役割を求められるだけに、原にとっては自分の持ち味を発揮することがデビューの近道になるはずだ。

 追いつき、追い越さなければならない存在は数多い。木寺は契約満了に伴い、昨季限りで退団したが、昨季24試合に出場したGK佐藤昭大(22)は1試合ごとに安定感を増し、下田も今季は故障から復帰してくる。とはいえ、いつ昨季のような緊急事態がやってこないとも限らない。そのときまで、じっと牙を磨いていくつもりだ。


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