beacon

豪州の牙城崩せず…ホームでまた引き分け

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.11 W杯アジア最終予選 日本0-0オーストラリア 日産ス]

 日本代表は11日、W杯アジア最終予選でオーストラリア代表と対戦。3連勝で首位に立つ最大のライバルとの一戦は、優勢に試合を進めながらオーストラリアの牙城を崩せず、0-0の引き分けに終わった。

 日本は4-2-3-1のシステムで、GK都築龍太、4バックは右から内田篤人、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、長友佑都と並んだ。中盤は遠藤保仁と長谷部誠のダブルボランチで、右サイドに中村俊輔、左サイドに松井大輔、トップ下に田中達也。1トップに玉田圭司が入った。
 ベンチ入りは川島永嗣、寺田周平、今野泰幸、橋本英郎、岡崎慎司、大久保嘉人、巻誠一郎の7人。菅野孝憲、高木和道、駒野友一、安田理大、稲本潤一、中村憲剛、香川真司はベンチからも外れた。
 一方のオーストラリアは4-5-1で、GKシュウォーツァー、4バックは右からウィルクシャー、ニール、ムーア、チッパーフィールド。中盤はカリーナ、グレッラ、ヴァレリが3ボランチ気味に位置し、2列目にホルマンとブレシアーノが入り、ケーヒルが1トップを務めた。ケネディ、マクドナルドはベンチスタートだった。

 日本は立ち上がりから最終ラインの背後のスペースを突いた。前半5分には縦パス1本で右サイドを田中達が抜け出し、ニアサイドにクロス。走り込んだ玉田が左足で合わせたが、DFに寄せられ、シュートは枠を捉えきれなかった。同11分には玉田が引いてボールを受けると、内田がするするとPA内まで進入。スルーパスが届いたが、ボールを持ち替えてしまい、チャンスを逸した。
 明らかにスロースタートだったオーストラリアだが、要所要所では体を張り、長い足でドリブルやパスをカットするなど日本に連続した攻撃を許さない。日本が厳しくプレッシャーをかけに行っても、個々の高い技術でプレスをいなした。
 高い位置でプレスがかからない日本はなかなか本来のパスサッカーを出せず、後方からのロングボールが目立った。闘莉王のフィードから田中達が裏のスペースを突いてチャンスを狙うなどゴール前には迫ったが、オーストラリアの守備陣に上手く体を入れられ、シュートまで持ち込めない。最大の武器であるセットプレーのチャンスもあったが、後半25分、右45度の絶好の位置で獲得したFKは中村俊のキックはゴール上へ。同38分の遠藤のFKも壁に当たった。
 前半は0-0で終了。試合の主導権は握りながら、オーストラリアの分厚い壁を破れず、ほぼオーストラリアの思惑通りと言っていい前半の45分間だった。

 後半に入っても日本のリズムが出ない。複数の選手でボールホルダーを囲い込むが、オーストラリアは慌てずにしっかりボールをつなぎ、日本のプレスを空転させた。逆に日本はビルドアップの時点で単純なミスが目立ち、カウンターを招く場面もあった。
 後半12分には松井に代えて大久保を投入。ボール支配率では上回る日本は再三、サイドからゴール前にボールを放り込むが、オーストラリアの高い壁にことごとくはね返された。後半20分にはカウンターから玉田が左サイドを突破し、PA内に走り込んだ田中達にラストパス。しかし、ここもDFに体を入れられ、シュートを打てなかった。
 後半23分には中村俊のスルーパスを受けた大久保が反転しながらシュートを打ったが、GKがキャッチ。その2分後には内田の横パスから遠藤が右足ダイレクトボレーでゴールを襲ったが、GKの好セーブに阻まれた。後半34分、長友の左クロスに飛び込んだ玉田のヘディングもゴール上へ。後半42分には内田の右クロスにファーサイドの長谷部が右足ボレーで狙ったが、シュートはゴール前の大久保に当たってしまった。
 結局、最後までゴールを割ることができず、0-0のスコアレスドロー。昨年10月のウズベキスタン戦に続いてホームで勝ち点1しか得られず、負けに等しい引き分けを喫した。

<写真>空中戦で競り合う日本代表MF中村とオーストラリア代表DFスコット・チッパーフィールド

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
岡田ジャパンの限界を感じさせたスコアレスドロー
闘莉王&中澤でケーヒル完封、09年初の無失点
[戦評]勝点1獲得も、攻撃は主力任せ
監督会見
選手コメント
選手採点
1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13

TOP