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千葉はバタバタの90分もミラー監督の煙幕?

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[2.22 PSM 柏3-1千葉 柏]

 最初から最後までバタバタの90分間だった。ジェフユナイテッド千葉は0-1の前半41分、MF工藤浩平のスルーパスを受けたMF谷澤達也が左足で流し込み、同点に追いついたが、後半11、14分と連続失点。1-3の完敗だった。

 昨季のレギュラーであるDF池田昇平が太もも裏に違和感を訴えて欠場。試合開始時は新加入のDF和田拓三がセンターバックに入っていたが、直後にDF青木良太とポジションを入れ替え、本来は左サイドバックの青木良がセンターバック、和田が左サイドバックに回った。攻撃陣もスタートはFW深井正樹が左サイド、谷澤が2トップの位置にいたが、こちらも間もなく谷澤が本来の左MFに入り、深井がFW巻誠一郎と2トップを組んだ。

 巻が「戦術的なことは言えない」と言えば、和田も「カモフラージュです。詳しくは言えないんです」と言葉を濁した。レギュラー候補のMF中後雅喜が後半32分からの出場にとどまったことも含め、J開幕を2週間後に控えたミラー監督のかく乱作戦、煙幕かという印象さえ受けた。

 巻は「しっかり準備して挑んだ試合だったんで、こういう内容、結果になって残念」と悔やんだ。「グダグダのまま90分が終わるのも、せっかくの実戦の機会だし、もったいない」と、しきりに大声で味方に指示を出し、ベンチにポジショニングを確認する場面もあった。

 後半22分から登場したMFミシェウは右MFの工藤との交代だったが、トップ下の位置に入ったため、右サイドがガラ空きになった。「あそこで何度も起点をつくられていたから(ベンチに確認した)」と巻。「プレシーズンだし、自由にやらせようとしていたと思う。良さは生かしてあげたいし、気を利かせてバランスを取れればよかったけど、そこまでチームとして余裕がなかった」と明かした。

 昨季からプレーするメンバーがずらりと並んだ柏に対し、千葉は先発のうち和田、MFアレックスが新加入組。途中出場したMF佐伯直哉、中後を含め、連係面で柏に「一日の長」があるのは当然だ。ボールの取りどころがはっきりしなかったり、ポゼッションしながら有効な崩しがなかったり、課題は山積したが、この時期に膿が出た方がチームにとってはいい。

 昨シーズンはオフに主力が大量流出した上、監督決定も1月にずれ込むなどチームづくりが遅れ、開幕11試合未勝利という最悪の結果につながった。巻は「去年はバタバタしながら開幕を迎えたけど、今年はしっかりグループで練習できている。シーズンが始まれば雰囲気も変わると思う。去年失敗しているし、同じ思いはしたくない」と力を込めた。開幕まで2週間。ミラー監督がここからどうチームを仕上げていくか。その手腕に注目だ。

(取材・文 西山紘平)

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