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柏、“鬼門”で勝ち点1もぎ取る

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[3.7 J1第1節 川崎F 1-1 柏 等々力]

 昨年はナビスコ杯を含めて2試合で6失点、00年5月以降1分4敗という“鬼門”等々力陸上競技場で柏レイソルが勝ち点1をもぎ取った。
 前半から川崎Fのミスを見逃さずに攻撃を仕掛けていた柏は後半5分、相手のクリアボールを拾ったMFポポが相手最終ラインとGKの間に絶妙な右クロス。これをMF菅沼実が頭で合わせて先制点を奪った。「ポポがすごくいいボールをくれた。僕は触っただけ。GKより先に触ろうと思った」と振り返る菅沼が決めたアウェーでの貴重な一撃。後半32分に追いつかれ、川崎Fにシュート計20本を放たれたが、守備陣は粘り強く守り勝ち越されることはなかった。

 この日は前半7分にDF小林祐三が相手との接触プレーで鼻を負傷。骨折の疑いもあるという小林は試合中出血が治まらずに何度もピッチ外で治療を受けた。そのたびにチームは数的不利となっていたがGK菅野孝憲が「大崩れせずにできた。対応できている部分の多かった試合だった」と振り返る好守で、昨季のリーグ最多得点チームに勝ち越し点を与えない。
 昨年までのように前線からアグレッシブにボールを奪いにいくスタイルとは違って、自陣での守備に重きを置いた戦いぶり。それでも局面でのアグレッシブな守りで獲得した勝ち点1に菅野は「(今日の引き分けは)すごくポジティブな試合。伸びしろのあるチームなので、もっとよくしていかなければならい」と満足げな表情で語った。

 今オフ補強したブラジル人MFアルセウが2月13日に右膝後十字靭帯および右膝外側半月板を損傷の重傷。チームは開幕前に危機が訪れていたが、この日キャプテンマークを巻いてプレーしたMF杉山浩太が台頭するなど、穴とはなっていないことを自らの戦いぶりで証明した。アウェーでの開幕勝利こそ逃したが、チームは“鬼門”等々力で前向きなスタートを切った。

(取材・文 吉田太郎)

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