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[大学MOM_9]早稲田大FW富山貴光(1年)_注目ルーキーからエースへ

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[5.3 関東大学サッカー1部第5節 早稲田大 1-1 慶應義塾大 西が丘]

 早稲田大の1年生ストライカーがチームに勝ち点1をもたらした。0-1で迎えた後半2分だ。前線での競り合いからボールが味方にこぼれると、最終ラインの裏を突いたFW富山貴光(1年=矢板中中央高)は右足で豪快な同点ゴール(今季2点目)。「もう1点取りたかった」という富山はシュート5本を放ちながら1得点に終わったことを残念がっていたが、初の早慶戦でのゴールに「前半自分のファウルから取られたし、1点取ろうという強い気持ちだった。最近取れていなかったのでその点はよかった」と微笑んだ。

 高校時代は矢板中央高(栃木)のエースとして全国高校選手権や全国高校総体に出場。2年生だった07年にはU-17W杯を控えたU-17日本代表にも選出された。そして昨年はベガルタ仙台の特別指定選手として大会期間中以外の多くは仙台で過ごした。その実績は今年の各大学1年生の中でも群を抜く。
 その中で、大学1年目での出場機会は思っていたよりも早く訪れた。「けが人がいたこともあったけど、キャンプからコンスタントにできていた」という今井敏明監督の判断によりいきなり開幕戦先発に抜擢。「自分が出るとは思っていなかった」という試合で先制ゴールを決めると、その後もポストプレーと裏への動き出しを武器に先発に定着している。

 高校時代から注目を集めていたストライカーには進路を考えた際、Jリーグという選択肢もあった。だが「試合に出られるかどうか分からなかったし、将来について不安な面があった。大学にもいい選手がいるしひとつひとつレベルアップしていきたい」と名門進学を決意。その早稲田大から今年横浜FMに加入し、ゴールを連発しているFW渡邉千真の活躍は刺激になっている。まずは早大のエースとなって、関東得点王も獲得している渡邉と同じように活躍し、自信を持って4年後Jへ進むつもりだ。
 今井監督は「積み重ねていけばもっと上にいける。そのためにも今日の1点は自信になったと思う」。対して富山は「まだちょっとしたつなぎのミスとか、仕掛けられるときにボールを下げたり・・・まだ足りない」と課題克服へ意欲を見せた。注目のストライカーは自身の成長と結果にこだわりながら大学1年目のシーズン
に臨む。

(取材・文 吉田太郎)

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