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[大学MOM_11]中央大FW鈴木寛一(4年)_チームのカンフル剤に

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]

[5.3 関東大学サッカー1部第5節 中央大 3-1 駒澤大 西が丘]
 
 4年生FWがチームのカンフル剤となった。中央大FW鈴木寛一(4年=浦和東高)は3日の駒澤大戦で今季初先発。今季初ゴールを含む2得点で開幕戦から4試合2ゴールに終わっていたチームに貴重なゴールと勝利をもたらした。

 この日は負傷欠場したFW新田圭(3年=桐光学園高)に代わる先発。「チームは2勝2敗で上位にいくためには負けられなかった。何とか得点したかった。流れを変えたかった」という4年生の大仕事だった。
 まずは前半7分だ。右サイドを個人技で打開した08年U-19日本代表FW林容平(2年=浦和ユース)が決定的なシュート。相手GKがセーブしたこぼれ球に誰より早く反応したのが鈴木だった。スライディングでボールを押し込み先制ゴール。そして1-1の前半35分には左SB佐藤秀行(3年=塩釜FCユース)の左クロスを頭で合わせて再びゴールを破った。今季初先発でチームを救う2発。1月に中大を全日本大学選手権優勝へ導いた佐藤健監督も、この日のヒーローとして4年生FWの名を挙げていた。

 昨年は現甲府のFW小池悠貴と2トップを組み、開幕から先発出場していたが第3節の神奈川大戦で右ひざ靭帯を損傷する重傷。後半戦に復帰し先発も奪回したが自分のパフォーマンスをすることができなかった。16年ぶりに優勝したインカレでも活躍したのは小池であり、後輩の新田だった。そして今季の開幕から2トップにいたのは林と新田。それでも最上級生となったアタッカーは準備を怠らず、チームのピンチである新田欠場を自身のチャンスとして結果を残した。

 ここまでの中大は相手を圧倒するほどボールを保持していたものの最後の部分で崩せなかった。そして得点力不足に。だが献身的に走り回った鈴木が相手DFに穴を作り出した。「タイプが違うこともあるけどこれまでは前線の動きが少なかった。でも(鈴木)寛一がスペースに走ってくれて。相手のDFを動かすことができていたし、崩すことができた。2点目のゴールも寛一だからあそこに飛び込むことができた」とMF村田翔主将(4年=F東京U-18)も同級生を賞賛していた。

 浦和東高時代のチームメイトで、良きライバルでもある駒大の全日本大学選抜FW三島康平(4年=浦和東高)の前で2発を叩き込んで勝利をもたらした。すでに企業への就職内定も得ているFWは、大学最終年で少しでもチームに貢献していくつもりだ。「チームに貢献できるように走り回る。がむしゃらにプレーしたい。今年掲げているチームの目標は関東1部優勝。これを目指し、インカレで2連覇したい」と宣言した。
 
(取材・文 吉田太郎)

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