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[高校MOM_12]桐光学園高DF砂川翔主将(3年)_堅守の柱

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]

[5.31 JFAプリンスリーグ関東1部第9節 桐光学園高 1-1 鹿島ユース 日産フィールド小机]

 セットプレーからの失点で同点にこそ追いつかれたものの、桐光学園高(神奈川)の守備陣は最後まで安定していた。ほとんどの時間で相手にボールを支配されながらも、安易にボールを取りに行かず、ゴール前に侵入してくるところで連動してボールを奪取。それは試合終盤、勝ち越し点を狙って猛然と襲い掛かってくる相手に対しても全く変わらず、任務を最後まで遂行した。
 チームの得点数は10(9試合)でリーグ9位だが、失点数は4番目に少ない12。2年生中心のDF陣ながらもV候補筆頭・横浜FMユースを完封し、昨年度日本一の浦和ユースに競り勝つなど、リーグ4位につけていることは見逃せない。特に、そのディフェンスリーダーを務めるDF砂川翔主将はこの日も球際での厳しい守りを披露するなど相手に自由を与えなかった。「Jユースと比べると個で上回ることは厳しい。だからチームでやらないといけない。きょうは外でボールを回される分は回させておけ、と。シュートレンジに来たら2人でプレスしていくことを徹底した。セットプレーで失点したのは問題だけど、負けなかったことは次につながる」と引き分けにも前向きだった。

 強いキャプテンシーでチームを引っ張る砂川。全国で得た屈辱は現在糧となっている。昨年度の全国高校選手権、U-19日本代表FW瀬沼優司(現筑波大1年)らを擁し、注目を集めていた桐光学園高(神奈川)だったが、まさかの初戦敗退を喫した。砂川は「(チーム全体)試合直前まで、油断してしまっていたところがあった」と振り返る。全国で結果を出す前から“自分たちは強い”と錯覚してしまっていた。だが、「常に意識している」という今年はそのような問題はない。気を引き締める主将ら3年生を筆頭に常に立ち向かっていく姿勢が好結果につながっている。
 プリンスリーグ関東は7月5日まで中断。桐光学園はその間、全国高校総体の神奈川県予選に臨む。昨年は優勝して全国大会でも16強。砂川は「今年も全国に出たい。普段は神奈川県の高校と練習試合もする機会がないけど、ここで優勝して桐光は強い、ということを示したい」。
 タレント揃うJユース勢相手のプリンスリーグでは、守りを固めてカウンターから勝利を狙ってきたが、総体予選では逆の展開となることが予想される。桐光を優勝候補の強豪として相手が挑んでくるのは間違いない。それでも油断はない。砂川は、全国の反省を生かして勝利のためにだけにまい進していくつもりだ。
 
(取材・文 吉田太郎)

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