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[高校MOM_13]鹿島ユースDF中村開人主将(3年)_チームの生命線

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]

[5.31 JFAプリンスリーグ関東1部第9節 桐光学園高 1-1 鹿島ユース 日産フィールド小机]

 ほぼ完璧な守備を披露していた背番号4のセンターバックを鹿島アントラーズユース(茨城)の古賀聡監督は「彼のところがチームの生命線。きょうも攻撃の芽を摘んでくれた」と評価した。だがマン・オブ・ザ・マッチの働きを見せたDF中村開人主将は「相手のロングボールと1対1に関してはいい守備ができた。でも1点取られたことで、意味がなくなってしまった。どれだけいい守備をしていたとしても失点してはダメ。引き分けは自分の責任です」と無念の表情だった。
 前半相手に放たれたシュートはわずか1本。その1点がチームに重くのしかかった。圧倒的にボールを支配するも、自陣でブロックを築きカウンターに徹する相手をこじ開けることができない。9位の鹿島ユースにとって、8位以内の1部残留と7位以内が手にする全日本ユース選手権の出場権を獲得するためにはどうしても勝利が必要だった。だが、後半32分にセットプレーから同点に追いつくのがやっとで勝ち越すことができなかった。“失点がなければ・・・”。今季のプリンスリーグでは1試合も無失点試合がなかっただけに成し遂げたかった完封だったが、思いを実現することはできなかった。

 責任を口にする主将だが、それでも指揮官が評価する通り、チームに与えているものは大きい。174cmとCBとしては小柄だが、空中戦、1対1でも負けずチームの防波堤となっている。そしてチームを勇気付ける「声」。中村は「自分はヘタだと思っている。主将としてやっていることは声を出すことだけ。でもそれは常に意識しているし、今日も出来たと思う」と話した。
 4位から11位までが勝ち点6差にひしめくプリンスリーグ関東1部。混戦を勝ち抜くために欠かせない声の持ち主は残り2試合チームを全力で鼓舞する。

(取材・文 吉田太郎)

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