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悪夢の再現…岡田ジャパンは逆転負けで最終予選初黒星

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[6.17 W杯アジア最終予選 オーストラリア2-1日本 メルボルン]

 日本代表は17日、W杯アジア最終予選最終戦でオーストラリアと対戦。前半40分、DF田中マルクス闘莉王(浦和)が先制ゴールを決め、最終予選無失点のオーストラリアから初ゴールを奪ったが、後半14分、31分とセットプレーからMFティム・ケーヒルにゴールを許し、1-2と逆転された。終盤の逆転劇で1-3で敗れた06年のW杯ドイツ大会初戦の再現を見るかのような逆転負け。最終予選初黒星を喫し、A組2位での予選突破となった。

 日本は4-2-1-3の布陣で、GK楢崎正剛、4バックは右から内田篤人、阿部勇樹、田中マルクス闘莉王、長友佑都と並んだ。中盤は橋本英郎と今野泰幸がダブルボランチを組み、トップ下に中村憲剛。右サイドに松井大輔、左サイドに岡崎慎司が入り、玉田圭司が最前線に位置した。
 オーストラリアは4-2-3-1で、GKマーク・シュウォーツァー、センターバックにはDFルーカス・ニールが入った。トップ下にケーヒル、1トップはFWジョシュア・ケネディで、FWスコット・マクドナルドはベンチスタートだった。
[先発、布陣はコチラでチェック!!]

 日本は立ち上がり、決定的なピンチを迎えた。前半7分、ニールのロングフィード1本でケーヒルが抜け出し、左足でシュート。GK楢崎が弾いたこぼれ球をケネディが後方に戻し、今度はステリョフスキーが左足で狙ったが、DFが体を張って防いだ。

 全体的に運動量が上がらない日本は中盤のパス回しもスムーズさを欠き、チャンスをつくれない。前半19分、相手のミスから松井の左クロスに岡崎がヘディングを狙ったのが、初めてのシュートだった。

 連動した攻撃が見られず、松井や玉田の個人突破もオーストラリアの固い守備に阻まれる。セカンドボールも相手に拾われるなど、10日のカタール戦の再現を見ているかのようだった。

 それでも闘莉王、阿部のセンターバックが要所を締め、相手に決定機もつくらせない。そして前半40分、セットプレーのチャンスを生かし、日本が先制に成功した。

 中村憲の左CKに合わせたのは闘莉王。後方から走り込み、ケーヒルの頭ひとつ上から叩き込んだ。ここまで最終予選無失点を続けてきたオーストラリアにとっては最終予選初失点。シュウォーツァーは仰向けにバッタリと倒れ込んだ。

 前半ロスタイムには松井の獲得したFKのチャンスに玉田が左足で直接狙ったが、ゴールライン上にいたニールがヘディングでクリア。流れの中ではチャンスをつくれなかった日本だが、得意のセットプレーを生かし、1-0で前半を折り返した。

 後半に入ると、オーストラリアが反撃に出る。後半9分にはカリーナの左CKにステリョフスキーが頭で合わせるが、ゴール上へ。日本もカウンターからチャンスをつくるが、後半13分、中村憲が素早いリスタートから岡崎にフィードを送るも、岡崎のシュートはミートせず、GKにキャッチされた。

 そして後半14分、オーストラリアは右サイドからのFKのチャンスにグレラが山なりのクロスをゴール前に上げると、ケネディと競った闘莉王の後方からケーヒルが打点の高いヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らした。

 日本は後半18分、内田の右クロスに松井が逆サイドから走り込むが、足を滑らせてしまい、シュートを打ち切れなかった。後半23分にはプレーに精彩を欠いた松井を下げ、FW矢野貴章を投入。しかし、大観衆の声援に後押しされたオーストラリアの猛攻は止まらない。

 後半31分、カールのシュートは楢崎が好セーブでしのいだが、そのCKから逆転を許してしまう。カールの右CKに逆サイドから走り込んだケーヒルがマークに付いていた阿部と競り合いながら飛び込み、ゴールに押し込んだ。

 オーストラリアは後半14分、カールに代えてマクドナルドを投入。ケーヒルが左サイドに移り、前線はケネディとマクドナルドの2トップになった。

 日本は後半39分、内田の右クロスから逆サイドに詰めた中村憲が右足で狙うが、シュートはDFに当たってしまう。同40分、橋本に代えてFW興梠慎三を投入するが、最後の最後まで自分たちの形をつくれないまま、1-2で敗れた。

[この試合の得点図解はコチラ]

<写真>敗戦に肩を落とす日本代表
(取材・文 西山紘平)

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