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「多摩川クラシコ」は谷口ロスタイム弾で川崎F勝利!

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[8.1 J1第20節 川崎F 2-1 F東京 等々力]

 「第16回多摩川クラシコ」は川崎Fが勝利! J1は1日、第20節6試合を行い、川崎市の等々力競技場では4位・川崎フロンターレと5位・FC東京が激突。MF谷口博之の劇的なロスタイム弾により川崎Fが2-1で勝った。これで川崎Fは、暫定2位へ浮上した。
 
 リーグ戦最近4試合白星のない川崎Fとリーグ戦6試合黒星のない好調・F東京との一戦。ともに4-4-2システムで試合に臨んだ。川崎FはGKが川島永嗣、DF菊地光将が出場停止のDFラインは寺田周平が約3ヵ月ぶりにCBに入り、伊藤宏樹とコンビを組んだ。SBは右が森勇介で左が村上和弘。中盤は横山知伸と谷口博之がダブルボランチとして構え、山岸智と中村憲剛がそれぞれ左右の攻撃的MFの位置に入った。2トップには矢島卓郎とジュニーニョが並んだ。
 一方のF東京は名古屋とのナビスコ杯準々決勝第2戦(7月29日)から先発5人を入れ替えたメンバー。GKが権田修一で4バックは右から徳永悠平、ブルーノ・クアドロス、今野泰幸、長友佑都。中盤は梶山陽平と米本拓司を中央に右MFが石川直宏、左MFが羽生直剛。2トップはカボレと平山相太が先発した。

 観衆21,379人を集めたライバル対決は、前半から互いがスピード溢れる攻撃でゴールを襲い合うスリリングな展開となった。試合開始直後の19秒、川崎FはショートカウンターからPAへ近づいた山岸がいきなり左足ミドル。これを合図に試合は一気にペースアップする。1分には自陣PA付近で相手ボールをカットしたF東京・石川が約50mを独走。DFの股間を射抜くパスをPAのカボレへ通した。
 ややジュニーニョにボールが収まらない川崎Fに対して、平山とカボレを起点にF東京が立て続けに決定機を作り出す。11分に平山が右足ミドル。13分には平山の1タッチでのポストプレーから羽生が抜け出しGKと1対1に。ただ、この場面などF東京の決定機にはGK川島が立ちはだかり、ゴールを奪うことができない。逆に川崎Fはスペースでボールに触りだしたジュニーニョからのラストパスに矢島が飛び込むなど、得点の予感を高めていった。

 それでも先制したのはF東京だった。37分だ。左サイドでボールを持った長友が相手DFとの1対1を鮮やかに抜き去り、ゴールライン際まで鋭くえぐる。するとその折り返しに反応したのは、石川。立ち上がりからそのスピードで川崎Fの脅威となっていたMFは、あっさりと右足でゴールを破り、先制点を奪った。

 リードされたままハーフタイムを迎えた川崎Fは後半、メンバー交代から「攻撃モード」へシフトさせる。8分、山岸に代えてFWレナチーニョを投入。同点ゴールが生まれたのはその直後だった。右サイドをえぐった森が距離の長いクロス。味方アタッカーの裏でフリーとなっていたジュニーニョが頭で合わせると、ボールは左ポストを叩いてそのままゴールネットへと吸い込まれた。

 F東京は直後の13分に石川の右クロスから平山が決定的なヘディングシュート。だが、これがゴール右へ外れると、直後には平山のスルーパスからカボレがGKと1対1となるが、飛び出した川島に止められてしまう。
 川崎Fも右クロスのこぼれ球に反応した谷口がペナルティアークから強烈な左足シュートを放つが、GK権田の正面を突き、勝ち越すことができなかった。
 この後、右SBに井川祐輔、攻撃的MFの位置に養父雄仁を入れた川崎Fに対し、F東京も石川、米本らを下げてMF田邉草民、MF鈴木達也、赤嶺真吾とアタッカーを次々とピッチへ送り込む。
 井川が右サイドをえぐり、鈴木がスペースを突くなど最後まで互いが譲らないまま迎えた後半ロスタイムに均衡は破れた。45分、川崎Fは右クロスのこぼれ球がPAの外で待ち構える谷口の前にこぼれる。背番号29が右足を振りぬくとボールはDFと川崎Fの選手の間を破り、ゴールへと突き刺さった。
 4分のロスタイムの末に試合終了。ピッチへ倒れ込んで悔しがるF東京の選手の横で川崎Fのイレブンが力強いガッツポーズで爆発させる。これで「多摩川クラシコ」の通算成績は川崎Fの6勝5分5敗となった。

<写真>終了間際に劇的な逆転ゴールを決めた川崎F・FW谷口(29番)
(取材・文 吉田太郎)

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