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[高校MOM_57]米子北FW山本大稀(3年)_“山陰の突貫小僧”

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.6 全国高校総体準々決勝 中津工・東 0-2 米子北 大淀町平畑運動公園]

166cmと小柄ながら、多少のフィジカルコンタクトでもブレない体幹を持っており、スピードと巧みなボディーバランスで、密集地帯でもジャックナイフのように切り刻んで突破していく、文字通り『山陰の突貫小僧』だ。

この試合でも米子北FW山本大稀は『山陰の突貫小僧』たる所以を強烈に見せ付けた。マンマークをつけられたことで、いつもは2列目に落ちてのプレーをするのに対し、彼はずっと前線に張り続け、サイドのスペースを狙い続けた。ただ、彼の真の狙いはサイドではなかった。サイドを経由してのゴール前であった。

この狙いが的中したのが、2点目のゴールだった。中盤でパートナーの谷尾がボールを持った瞬間、彼は一気にサイドに張り出し、マーカーを引っ張り出すと、すぐさま中に軌道を変えて、DFラインのギャップに猛然と走りこんでいく。そこに谷尾から絶妙なスルーパスが届くと、彼は巧みなフェイントでチェックに来たDFを交わし、飛び出してきたGKのニアサイドを破る技ありゴールで、チームをベスト4に導いた。
「ここ2試合決めていなかったので、どうしても今日決めたかった」。彼のこの強い気持ちがもたらしたゴールは、米子北初の全国制覇に向けての狼煙となるか。『山陰の突貫小僧』は貪欲にゴールを目指し、明日もピッチを駆け回る。

(取材・文 安藤隆人)
高校サッカー・09全国高校総体特集

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