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浦和連敗ストップも闘莉王苦言“Jで中くらいのレベル”

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[9.13 J1第25節 浦和 4-1 山形 埼玉]

 9試合ぶりとなる公式戦での勝利は、今季リーグ戦最多の4得点で放ったシュートも大量20本。約2ヵ月ぶりの白星は、ほとんどの時間でボールをキープし、対戦相手の山形FW古橋達弥が「ボールを持てず何をやっていいのか分からなかった」と振り返るような完勝だった。先制点を挙げたFWエスクデロ・セルヒオが「また前を向ける」と話すなど、ホッとした表情を見せていた浦和イレブン。試合後はそれぞれが、今後の巻き返しへ向けて気持ちを切り替えていた。

 ただ連敗中、フル出場が1試合のみだった日本代表DF田中マルクス闘莉王の言葉は厳しかった。「正直なところ余裕はない。(今の浦和は)そこまで強くない」ときっぱり。そして勝利の喜びよりも、「レッズは優勝しなきゃいけないチーム。常に優勝争いをしないといけない」と首位の鹿島に勝ち点10差以上離されている現状を嘆いた。

 闘将が口にした危機感。確かにこの日は相手に決定的なシュートを浴びせ続けた一方で、決定機をつくられる場面もあった。4-1で迎えた試合終了間際には、相手の立て続けのシュートをDFがゴールライン上で何とかクリアするのがやっとというほどに攻め込まれた。快勝ではあったが、完ぺきだったとは言い切れない試合。勝ち点6差につけているAFCチャンピオンズリーグ出場圏内3位への望みに関する質問に対しても、闘莉王は「相手に何もやらせていない、という感じじゃない。そんなこと(ACL)言ってられない。(今の浦和はJリーグで)中くらいのレベル」と吐き捨てた。

 連敗こそ止めたが、強さを取り戻したとはまだ言えない。もっと結果を出さなければ胸を張って喜ぶことはできない。闘莉王が「(今の)自分達の力がどれくらいか分かる」と話す次節の2位・川崎F戦は、ようやく連敗を止めた“赤い悪魔”にとって自信を取り戻すための重要な一戦となりそうだ。

(取材・文 吉田太郎)

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