beacon

[高校MOM_69]F東京U-18MF山崎直之(3年)_代表先発獲り狙うV候補の要

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.19 全日本ユース(U-18)選手権1次R最終戦 静岡学園高 1-5 F東京U-18 西が丘]

 別格の存在感だった。FC東京U-18の背番号18、U-18日本代表MF山崎直之はチームの中盤の核を担う攻撃的なボランチ。相手DFを寄せ付けないダイナミックなドリブルでスペースを駆け上がり、正確なパスで決定機に絡んだ。前半31分にGKをかわしながらシュートを打ち切れないなど、ゴールを奪うことはできなかったが、スライディングタックルで相手ボールを奪うなど、攻守においてその貢献度は高かった。

 特に光ったのが前を向く姿勢。やや後退しながらパスを受けても、プレッシャーが甘いと見るや、力強い腕の振りとともに加速して敵のわずかな傷口を一気に広げていく。故障明けながらも存在感を示した司令塔のプレーぶりには倉又寿雄監督も「彼がいると違いますね。安心してボールを預けられるところがあると思う。そして、守備面でも大分成長している。以前はあんなスライディングタックルでボールをとることなんてなかった」と絶賛していた。

 右足首の負傷のために山崎が欠場した初戦は浦和ユースの厳しい守備の前になかなかチャンスがつくれず1-2で敗戦。「初戦は(見ていて)蹴ることが多かった。自分が復帰したら前を向いてドリブル、パスを出して行こうと思っていた」という山崎はその言葉通りのプレーでチームを引っ張り、2連勝でのグループ首位突破をもたらした。

 この日はU-18日本代表の牧内辰也コーチが視察する中で見せた好プレー。F東京のトップチームに昇格することなく大学へ進学することがほぼ決まっている山崎だが、代表入りへの思いは強い。「代表は1番高い場所。スタメン、頑張ってスタメン取りたいですね」。U-18代表のボランチは名古屋MF田口泰士や中央大MF六平光成ら1学年上の好選手らの名が並ぶ激戦区だが、今やF東京で最も怖い存在となっている180cmのMFは代表スタメン取りへ強い意欲を燃やしている。まずは今大会、チームを日本一へ導いて、代表定位置の座を自分のものにするためのアピールをする。

高校サッカー・全日本ユース2009
(取材・文 吉田太郎)

TOP