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[高校MOM_70]横浜FMユースFW榎本大希(3年)_今大会初出場で決勝弾

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.21 全日本ユース(U-18)ユース選手権決勝T1回戦 横浜FMユース 1-0 桐光学園高 群馬]

「ずっと試合に出られなくて悔しかった」。待ちに待った高円宮杯初登場は、0-0の緊迫した場面に訪れた。言葉の主、横浜F・マリノスユースのFW榎本大希が後半頭から投入された途端、試合の流れがガラッと変わった。
 前半、桐光学園高の強固な守備をあれほど切り崩せなかったのにもかかわらず、後半は横浜FMらしい華麗なパスワークで、桐光守備網を切り刻んでいく。1トップの位置に投入された榎本は、屈強なフィジカルとボディバランスを駆使して、前線の深い位置で巧みなボールキープからタメを作った。
 これにより左サイドに移ったMF小野裕二が前を向いてボールを受けられるようになり、小野裕の持ち味であるドリブル突破を引き出し、眠っていた攻撃を一気に引き出した。榎本は単純に回りを生かすだけでなく、前線で積極的に前を向いて個での突破を試みるなど、桐光の守備のリズムを大きくかき乱すと、9分には決勝弾を叩き込み、勝利の立役者となった。
 「これまで出場機会がなかったのに、普段の練習からいいコンディションを維持してくれていた。よくやってくれた」(松橋監督)。腐ることなく、ひたむきにやる姿が、指揮官を刺激し、自らへのチャンスを作り出し、それを見事にものにした。9月6日の開幕から、チームメイトに遅れること半月、ようやく彼は高円宮杯で大きな第一歩を踏み出した。

(取材・文 安藤隆人)
高校サッカー・全日本ユース2009

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