beacon

[高校MOM_73]広島ユースMF大崎淳矢(3年)_エース2発で8強導く

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.21 全日本ユース(U-18)ユース選手権決勝T1回戦 広島ユース 2-0 神戸ユース 群馬]

 U-18日本代表MF大崎淳矢の2発がサンフレッチェ広島ユースをベスト8に導いた。当初、大崎はこの大会に出られないはずだった。それのそのはず、彼はすでにトップチームでデビューし、貴重な戦力となっていたからだ。
 だが、トップチームが柏からFW李忠成を獲得したこともあり、今大会はユースの一員として戦うことになった。悔しさがある反面、彼の中には喜びもあった。なぜならば、日本クラブユース選手権で屈辱のグループリーグ敗退に終わったとき、彼は何かやり残した気持ちになっていたからだ。

 「クラセンは勝てる試合を勝てなかった。ここではそこを勝てるようにしないといけない」。チームに課された課題を、自分も含めて解消したい。その強い気持ちが大崎を突き動かした。前半は攻めれど点が奪えず、後半は相手にペースを握られる嫌な展開だったが、強い気持ちを持った彼のワンプレーでこの流れを断ち切った。

 そして後半7分、大崎は左サイドでボールを受けると、対峙する2人のDFに対し、迷わずアタッキングエリアにドリブルで切れ込むと、ファールを受けてPKを獲得。このPKをきっちり決めると、圧巻は32分だった。
 先制しても相手がペースを握る苦しい展開の中で、彼は冷静沈着だった。左サイドにボールが行ったとき、神戸ユースの選手は全員がボールサイドに寄っているのを確認すると、彼はすっと右サイドのスペースにポジションを移した。そして砂川からのサイドチェンジを、背筋をピンとした姿勢で正確にトラップ。そして前目にポジションを取っていたGKの位置を確認するや否や、間髪入れずにワンステップでボールを叩いた。
 ボールはGKの頭上を破り、ワンバウンドして左ポストを叩いて、そのままゴールに吸い込まれたた。エースの意地が広島ユースに『勝てる試合を勝つ』強さをもたらした。

(取材・文 安藤隆人)
高校サッカー・全日本ユース2009

TOP