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[ACL]名古屋、“一瞬のミス”で逆転負けも、エースが貴重なアウェー弾

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[9.23 ACL準々決勝第1戦 川崎F2-1名古屋 国立]

 大黒柱が、敵地で貴重な1点をもぎとった。名古屋FWケネディが前半28分に194cmの長身を活かしたヘディングで先制ゴール。右サイドからの長く高めのクロスにしっかりと合わせ、ゴールネットを揺らした。1-2で敗れはしたが、“アウェーゴール・ルール”が適用される今大会で、第2戦に向けて一筋の光をともした。

 「中村直志がいいボールを蹴ってくれた。それを決めるだけだったよ」

 エースはクールに振り返ったが、さすがの一言だった。“ケネディ・キラー”のDF菊地をはじめ、90分間、常に誰かが密着マークにきたが、あわてることはなかった。「川崎Fは汚いファウルをしかけてきた。マークを受けるのはしかたのないことだが・・・。その中でもできる限りのプレーをしなくてはいけない」。先制のヘディングシュートもDF井川祐輔に体を寄せられていたが物ともせず、空中戦を制した。オーストラリア代表のピム監督が視察に訪れた中で、しっかりと結果を出した。

 8月15日の川崎F戦。DF菊地光将にマークされ、0点に抑えられた。だが、アジア最高峰のストライカーに、2度目の“負け”は許されない。2点目のゴールは奪えなかったが、ヘディングに競り勝ち、ポストプレーもこなし、危険な香りを漂わせた。

 エースが奮闘し、前半はしっかりとパスをつなぐ攻撃的なサッカーができたが、“一瞬のミス”でチームが乱れた。後半15分、左サイドで角度の少ないところからMF中村憲剛に直接FKを決められた。DF田中とMF小川が壁に入っていたが、不運にも2人が別の動きをしてしまい、間を抜かれて決められた。DFラインを崩されていないのに失点し、チームが動揺。浮き足だった中、3分後に逆転弾を許した。

 「失点したあとに、またすぐ失点してしまう。きょねんから、ずいぶん話し合いをしているんですが。。。 何でなのか、はっきりした理由が分からないんです。受けてしまった部分があったのかな」とDF増川は肩を落とした。

 川崎Fとはこれで、05年10月15日から3分け7敗と10試合勝ち星なし。嫌なジンクスから逃れられない。ケネディは「まだ時間がある。次はJリーグがあるし、1戦1戦しっかり戦いたい。1-0で勝てばOK? そうだね。君はクレバーだね」。報道陣に向けてニヤリと笑ったエース。次戦は9月30日で、ホーム・瑞穂陸上競技場で行われる。1-0で勝てば、アウェーゴールの差で、準決勝進出が決まる状況。もちろんその1点は、ケネディ自らが奪うつもりでいる。

<写真>川崎F・MF谷口(29番)と競り合う名古屋FWケネディ(16番)

(取材・文 近藤安弘)


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