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[ACL]憲剛の1年ぶりFK弾はまたも国立、「狙っていた」

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[9.23 ACL準々決勝第1戦 川崎F2-1名古屋 国立]

 憲剛のひと蹴りが不穏な空気を吹き飛ばした。前半から再三の決定機を逃し続け、前半を0-1で折り返した川崎フロンターレ。アウェーゴールを許し、ホームでの敗戦は何としても避けたい崖っ縁の状況からチームを救ったのはやはりMF中村憲剛だった。

 後半15分、PA外側の左サイドで獲得したFK。角度のない位置から直接狙ったキックは、目の前に立っていた2枚の壁の間を抜け、ゴールニアサイドをぶち破った。「FKは狙っていた。壁の間を通そうとはしてないけど、あそこらへんに蹴り込もうと。壁が割れるとは思わなかった」。この1点で勢いに乗ると、その3分後、FWジュニーニョの勝ち越しゴールが飛び出した。

 「1点取って、明らかに向こうはガックリしているように見えた」。中村が直接FKを決めたのは昨年9月27日の柏戦(5-2)以来。しかも、舞台は同じ国立競技場だった。「場所(会場)も一緒ですね。毎年1回は(直接FKで)決まる。少ないですけど」と笑みがこぼれた。

 19日のJリーグ浦和戦(0-2)で痛恨の敗戦。首位・鹿島との差を詰める絶好のチャンスで、リーグ戦では20試合ぶりの無得点に終わった。中3日の連戦。その影響は少なからずあった。

 「前半は出足が鈍かったし、ちょっと後ろで構え過ぎた。もっと前から取りにいかないといけない。前半から決定機はつくれていたけど、本来のたたみ掛ける感じはなかった」。それでも、3分間の逆転劇には川崎Fらしい勢いがあった。その爆発力を呼び起こしたのが憲剛の同点ゴールだった。

 アウェーゴールは許したが、きっちりとホームで先勝を果たした。アウェーでの第2戦は30日。「しっかり90分のシチュエーションを考えて戦いたい。今日の前半みたいなことがないように」と憲剛。決勝トーナメント1回戦(G大阪に3-2勝利)に続く日本勢連破に一歩近づいた。

<写真>川崎F・MF中村
(取材・文 西山紘平)

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