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[高校MOM_75]米子北高FW山本大稀(3年)_得点ランク首位のFW、「その時」逃さず2発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.23 全日本ユース選手権(U-18)決勝T1回戦 千葉U-18 1-2 米子北高 夢の島]

 “山陰の小さな核弾頭”こと米子北高FW山本大稀がこの日も大仕事をやってのけた。

 ポゼッションで上回る相手に対し、彼は常に千葉U-18の守備の綻びを狙い続けていた。そして供給されるロングボールに対し、山本大は何度も果敢に前線に飛び出し続けた。この光景は米子北の試合を見に行くと、必ず見られる光景で、この繰り返しが1試合の中で必ずやってくる「その時」を逃さない勝負強さを生み出している。
 
 この試合では14分に「その時」はやってきた。薮田貴大の縦パスに反応したが、谷尾昂也の落としは相手に奪われた。しかし、山本大はそこから足を止めることなく動き直し、次なるアタックに準備を備えた。その思いが通じたのか、五百川雄太がボールを奪うと、CB2枚の間に生まれたギャップに猛ダッシュ。五百川のスルーパスをトップスピードに乗った状態からの胸トラップでコントロールして一気に抜け出すと、飛び出してきたGKの脇を抜く技ありシュートで先制弾を叩き込んだ。

 そして圧巻は後半15分の決勝弾。相手のクリアボールを右サイドで薮田が拾ったときに「その時」はやってきた。すぐさまアタッキングエリアに入り込み、PA内でDFを背負いながら薮田のボールを受けると、182cmの千葉U-18CB畠山翼を170cm満たない山本大が、両腕で完全ブロックし、そのまま素早く反転して畠山をふっとばし左足一閃。ボールはゴールポストとGKの間の僅かな隙間を貫いて、ゴール右隅に突き刺さった。
 「その時」を見逃さない圧巻の2ゴールで、チームをベスト8に導くだけでなく、自身も大会得点王を独走する7ゴールに伸ばし、圧倒的な存在感を見せ付けた。

(取材・文 安藤隆人)

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