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[ACL]ケネディが死闘に"蹴り"、名古屋がJ対決制し準決勝へ

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[9.30 ACL準々決勝第2戦 名古屋3-1川崎F 瑞穂陸]

 ACL準々決勝は30日、第2戦を行い、瑞穂陸上競技場では名古屋グランパス川崎フロンターレが対戦し、名古屋が初の準決勝進出を決めた。アウェーでの第1戦を1-2で落とした名古屋は、前半27分にMF小川佳純、同35分にDF吉田麻也のゴールで“逆転”したが、川崎Fも同38分にFW鄭大世のゴールで2試合合計3-3の同点に戻す。激しい点の取り合いとなった一戦は後半43分、FWケネディのゴールで名古屋がこの試合を3-1、2試合合計4-3とし、準決勝への切符をもぎ取った。

 名古屋は23日の第1戦から先発を一人入れ替え、ボランチにMF吉村圭司ではなく、MF三都主アレサンドロを起用した。ターンオーバーした26日のJリーグ鹿島戦(4-1)でのプレーを評価。一方、鹿島戦で2得点したMFブルザノビッチはベンチスタートとなった。
 川崎Fは第1戦が出場停止だったDF村上和弘が先発に復帰し、ベストメンバーを組んだ。26日のJリーグG大阪戦(1-2)が出場停止だったFWレナチーニョ、途中出場のFW鄭大世、出番のなかったDF菊地光将も先発に戻った。
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 1点ビハインドの状況で第2戦を迎えた名古屋が、より高い攻撃意識を持って試合に入ったが、パスの呼吸が合わないなど立ち上がりはリズムをつかめなかった。川崎Fは相手のミスを奪って少ない人数でカウンターを仕掛けるなど狙い通りの試合運び。サイドを使った攻撃でチャンスをうかがった。

 それでも名古屋は徐々に落ち着きを取り戻し、前半17分にMFマギヌン、同28分にFW玉田圭司がシュートを狙う。同23分にはロングフィードをFWケネディが頭で落とし、MF小川佳純がボレーシュート。いずれも枠を捉えきれなかったが、攻撃にリズムが生まれ始めた。

 そして前半27分、中盤をドリブルで持ち上がった小川は相手のマークが薄く、シュートコースが空いているのを見逃さなかった。約25mの距離から右足を振り抜いたシュートは右ポストをかすめてゴールマウスへ。小川の鮮やかなミドルシュートで2試合合計2-2とし、第1戦でアウェーゴールを決めている名古屋が優位に立った。

 さらに前半35分には三都主のFKをDF吉田麻也が体勢を崩しながらもバックヘッドで合わせ、追加点。2試合合計3-2と逆転に成功した。

 川崎Fも、この2失点で目が覚めた。逆に点を取らなければならない立場に追い込まれ、攻勢を強める。前半38分、レナチーニョのスルーパスを受けたFW鄭大世が右足でゴールにねじ込み、2試合合計3-3。あっという間に試合を振り出しに戻した(このまま終われば延長戦)。

 その後は互いに勝ち越し点を狙ってゴール前に攻め込む場面が増え、試合は一気にヒートアップした。後半3分、川崎Fは左サイドをオーバーラップした村上の折り返しをレナチーニョがシュートするも、DFがブロック。同7分には名古屋もチャンスをつくり、マギヌンの右クロスにケネディが頭で合わせたが、GKの正面だった。

 名古屋は後半20分にも細かいパス交換から最後はケネディが左足でシュート。決定的な形だったが、GK川島永嗣が指先で触れ、なんとかゴールを守った。

 試合を優勢に運ぶ名古屋は後半27分、ダブルボランチを一気に交代。中村と三都主を下げ、ブルザノビッチと吉村を投入した。同33分には吉田が思い切ったロングシュートでゴールを襲うが、またもGKが好セーブ。惜しい場面はつくりながら、なかなか勝ち越し点を奪えなかった。

 このまま延長戦突入かと思われた後半43分、名古屋の執念が実る。吉田の縦パスからDF田中隼磨が右サイドを抜け出し、クロス。ケネディの背後から走り込んだマギヌンが左足で合わせると、GK川島が体に当てたが、こぼれ球をケネディがすかさず押し込んだ。

 これで2試合合計4-3。土壇場で名古屋が再度勝ち越した。ただ、川崎Fも1点を取って2-3とし、2試合合計4-4に追い付けば、アウェーゴールの差で勝ち抜けが決まる。終盤は猛反撃を仕掛けたが、名古屋が最後まで集中力を切らさず、逃げ切った。

<写真>
決勝弾を決めた名古屋・ケネディ

(取材・文 西山紘平)

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