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[ACL]小川の無回転ミドルに吉田の後頭部ヘッド、名古屋が気迫のリベンジ

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[9.30 ACL準々決勝第2戦 名古屋3-1川崎F 瑞穂陸]
※2試合合計4-3で名古屋が準決勝進出

 MF小川佳純の無回転ミドルが炸裂した。第1戦を1-2で敗れていた名古屋グランパス。先に失点し、アウェーゴールを許せば、状況は極めて厳しくなる。「先に点を取られたら、うちは最低でも2点が必要になる。先制点は取らなきゃいけない点だった」。その大事なゴールを、自らの右足で奪った。

 前半27分、中盤でフリーでボールを受けると、ドリブルで持ち上がり、迷わず右足を振り抜いた。「フリーだったので。自分のシュートレンジかなと。積極的に打った結果が、ゴールになった。まぐれでしたけど、良かった」。約25mの距離から放たれた弾丸ミドルは微妙に揺れながらゴールへ。「気持ちが乗り移った? そんな大げさなもんじゃない」と苦笑いしたが、右ポストをかすめてネットに吸い込まれる美しいゴールだった。

 前半35分にはMF三都主アレサンドロのFKをDF吉田麻也が「後頭部のあたりに当たった。感触はあったけど、人かボールか分からなかった」というバックヘッドで押し込み、2-0。2試合合計3-2と逆転に成功した。

 ところが、その3分後に失点。2試合合計3-3の同点に追い付かれた。23日の第1戦(1-2)では前半28分に先制しながら後半15分に追いつかれると、集中力が切れ、3分後に勝ち越された。同じ失敗は繰り返さない。「1点取られた時点で負けているわけじゃないし、振り出しに戻っただけ。みんなもう1回、0-0になった気持ちだったと思うし、このまま続ければ点を取れるし勝てると信じていた。慌てず戦えたのが良かった」(小川)、「1失点しても崩れず、3点目を取れたのが一番大きい」(吉田)と精神面での成長があった。

 今季、川崎Fにはリーグ、ACL合わせて3戦全敗。その借りは、返しても返し切れないほどだった。DF田中隼磨は「3回負けてたので、3回分返したと言ったらウソになる。でも、一番大事な試合で勝てたのはうれしい」と言った。「みんなの勝ちたい意欲が強かった。勝因? 気持ちです」と吉田。天敵を破り、最大の難関を突破した名古屋がアジアの頂点を視界にとらえた。

<写真>
ゴールを決めて喜ぶ名古屋・吉田

(取材・文 西山紘平)

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