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[高校MOM_76]三菱養和SCユースMF玉城峻吾主将(3年)_国立導く1得点1アシスト

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.3 全日本ユース(U-18)選手権準々決勝 米子北高 0-2 三菱養和SCユース ひたちなか]

 先発メンバーで最も小柄な167cmのキャプテンだ。三菱養和SCユースのU-18日本代表候補MF玉城峻吾主将は「特別な技も持っていないし、足も速くない」と謙虚に話す10番の司令塔。だが、攻撃の起点となる正確なパスとバランス感覚、そしてキャプテンシーは初の4強へ進出したこのチームに欠かせなかった。

 玉城は前半16分、左CKをFW木村陽一郎の頭にズバリ合わせる先制アシストをし、後半26分にはPKで2点目の貴重なゴール。その他にもゴールラインすれすれに蹴りこむセットプレーでのキック、そして4本全てが得点を予感させたシュートと相手の脅威となり続けた。また「自分が先頭に立ってプレーをしないと、みんなついて来ない」とハードワークを90分間やり通した。

 トップ下でコンビを組むU-18日本代表MF加藤大ほどの華麗さはない。この日、加藤は鮮やかなボールコントロールとスルーパスで再三会場を沸かせていた。だが一方で周囲とのバランスを取りチームの潤滑油的な役目を果たしながらも、決定的な場面に顔を出し、仕事をする玉城の目と技術も見逃すことはできない。加えて、ピンチの芽をいち早く摘み取る玉城、加藤の2人の司令塔が見せた献身的な守備もチームへの貢献度は大きかった。
 
 玉城は「(自分は)もっと動かないといけない。(フィジカルが強くないので)人より早くポジションをとっていかないともっと上にいけない」と厳しかったが、攻守に奮闘してチームを国立競技場での準決勝へ導いた。日本一まであと2勝。「これまで日本一は考えていなかった。でも今年はいい選手が揃っていると思う。ボクは(斉藤)監督と出会わなければそんなに成長できなかった。(今大会優勝して)監督を胴上げしたいんで。これは実現したいですね」。昨年から10番を背負う主将はまずは、準決勝の横浜FMユース戦突破へ全力を尽くす。

(取材・文 吉田太郎)
高校サッカー・全日本ユース2009

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