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[高校MOM_79]広島ユースMF茶島雄介主将(3年)_チームの“心臓”が勝利の原動力に

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.4 全日本ユース(U-18)選手権準々決勝 藤枝明誠高 0-2 広島ユース Jヴィレッジ]

 「小さいし、高さもないし、身体も強くない」と語る登録161cmの小さな司令塔が、サンフレッチェ広島ユースの中核を担っている。U-18日本代表候補でもあるMF茶島雄介だ。

 ミスのない、正確なキックで攻撃を組み立て、決定機を演出するMFは、登録158cmと同じく小柄なMF中山雄登とダブルボランチでコンビを組む。高校年代といえど、全国トップレベルのチームのダブルボランチは、ふつう司令塔タイプのMFとフィジカルの強い守備的な選手を組ませることが定石。だが、広島ユースはあえて小柄な技巧派MF2人に中盤を託しているのだ。

 茶島は「相手より先に動いているし、(中山)雄登と2人で助け合ってプレーしているので問題ない。シャビやイニエスタなんて身体が小さくても大きな相手とやっているし、自分もそれを目指している」。この試合でもその言葉通りに、茶島は自らの好パスから決定機をつくり出した。後半18分の右足FKはクロスバーを叩き、ゴールを奪うことまではできなかったが、それでもその正確な技が藤枝明誠の攻撃機会を奪い、チームの4強進出の原動力となった。

 “小さくても関係ない”という気持ちで戦い、勝利をつかんだ茶島は「自分が中心となってベスト4というのは初めて。やってきたことの結果が出てうれしい」と喜んだ。「山椒は小粒でもピリリと辛い。(茶島と中山の)あの2人が僕らの心臓。ちびっ子2人を中盤に置いて試合を支配しようというのが僕らがやろうとしていること」と森山佳郎監督から全幅の信頼を受ける司令塔が、次は磐田ユース撃破への原動力となる。
 
(取材・文 吉田太郎)
高校サッカー・全日本ユース2009

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