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[高校MOM98]境DF景山慎太郎主将(3年)_大金星の立役者

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.1 全国高校サッカー選手権鳥取県大会決勝 米子北 0-1 境 とりスタ]

 藤枝東(静岡)に4失点。昨年の全国選手権において、FW住田貴彦(大分)、GK重成俊弥(岐阜)を擁した境は、初戦で散った。試合後、敗戦の責任を感じ、号泣する2年生CBの姿があった。あれから10ヵ月、一回り大きくなったDF景山慎太郎主将(3年)は、左腕にキャプテンマークを巻いて、インターハイ準優勝校・米子北を破る大金星の立役者となった。

「常に自分が最後の砦だと思ってやっている」と語ったように、インターハイ得点王と高円宮杯得点王の全国屈指の2トップに対し、彼は前半はマンマーカーとして、後半はスイーパーとして80分間集中力を切らすこと無く、闘志を全面に出した激しいチェイシングや、時には冷静沈着に危険なスペースを埋めるカバーリングを駆使。昨年の悔しさを知る岡崎克也と共に、最終ラインで強固な壁を築いた。彼らの踏ん張りがあったからこそ、後半30分の劇的な決勝弾が生まれた。

 試合後、景山は溢れる涙が止まらなかった。「去年までは3年生が僕らを全国に連れていってくれた。でも、僕らは1、2年生を連れていけてなかった。だからどうしても後輩たちを全国に連れていきたかったんです」。これで彼はまず大きな責任を一つ果たした。次なる責任は去年も、一昨年も叶わなかった選手権での勝利。困難と思われていた責任を果たした影山ならば、全国の舞台でも先頭に立って、チームを引っ張ってくれるはずだ。昨年、冬の晴れ舞台に置き忘れた勝利という忘れ物が、彼の中で大きなモチベーションとなっている限り。

(取材・文 安藤隆人)

特設:高校サッカー選手権2009

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