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中田ヒデ親善試合、公式練習後の会見要旨

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 元日本代表MFの中田英寿が呼びかけ人となって開催される親善試合「+1 FOOTBALL MATCH」(7日、日産ス)を翌日に控えた6日、試合会場となる日産スタジアムで公式練習が行われた。練習後、WORLD STARSのジョゼ・モウリーニョ監督、MFクラレンス・セードルフ、JAPAN STARSの釜本邦茂監督、MF中田英寿が記者会見を行った。
以下、会見要旨

―(両チームの監督に質問)チームの仕上がり具合はどうですか?
●モウリーニョ監督
「仕上がりには満足している。現役を退いた選手もいるが、たとえパワーは落ちていても、フットボールの質やフットボールマインドは保っていると思う。久しぶりに会った選手もいて、感動的な再会だった。長い付き合いがあっても、最近はなかなか会う機会がない。バスでも、ロッカールームでも、いろいろと話をする機会があって、とてもうれしかった」

●釜本邦茂監督
「うちの場合は、ほとんど現役の選手はいない。(5月14日の)東京Vとの練習試合が終わって“いいコンディションで来てください”という話をしていた。ひとりひとり走り込んできてくれたと思う。こういう機会はなかなかない。ひとりひとりが90分もつかどうかは不安だけど、そこはやりくりしながら、いいゲームができればと思っている」

―両チーム合同練習でしたが、どなたの発案だったのでしょうか?
●釜本邦茂監督
「モウリーニョ監督です」

●モウリーニョ監督
「一緒に練習できて楽しかった。選手も楽しんで練習できたと思う。明日の試合は、選手も、見に来るお客さんも楽しんでほしい。何よりも大事なのは、こういう場を持ったメッセージが皆さんに伝わることだと思う」

―(4人に質問)そのメッセージですが、どういうことを伝えたいと思いますか?
●MF中田英寿
「4月15日の会見以来、いろいろなメディアで多くの人が話してきてくれた。試合の中で何かをするというのは不可能だけど、これまでのプロセスが大事。試合を通じて具体的な何かをすることはできないけど、これをきっかけにいろんな人が自覚を持って何か動き出そうとすること、そういうプロセスが大事。試合は楽しんでもらえればいいと思う」

●釜本邦茂監督
「こういうことをやるのは素晴らしいことで、世界の素晴らしい選手が集まってやるということもこれまでなかった。こうして実現したこと自体が、ひとつの何かになったと思う」

●モウリーニョ監督
「フットボールには大きなパワーがあり、社会的にも奇跡を起こせるスポーツ。私は選手を誇りに思っている。プロ選手でありながら、世界中の問題も意識している選手はたくさんいる。他の国でもこうした取り組みに参加している選手は多い。フットボールの持っている社会的なパワーを世界のために使うのは素晴らしいこと。私は、フットボールから離れていた7カ月の間に3回アフリカに行った。美しい国だが、いろいろな問題もある。こういう取り組みに参加できてうれしいし、ナカタからこの話を聞いたときはふたつ返事でOKした」

●MFセードルフ
「こうした素晴らしい試合に呼んでくれたことに感謝したい。モウリーニョ監督の話したことにまったくの同感で、サッカー選手だからできることはたくさんある。こうして多くの選手が集まることで、大きく貢献することもできる。素晴らしい試みであり、またナカタと友人であるからこそ、参加した。問題を未然に防ぐことの方が、すでに起こってしまった問題を解決することより簡単だと思っている」

―(中田に質問)これだけの選手が集まったことについては?
●MF中田英寿
「この時期はEUROのほか、W杯予選も世界各地で行われていて、代表選手は集まりにくい。本当は(欧州の)シーズンが終わってすぐやりたかったけど、いろんな理由でずれ込んで、もう今はバカンスに行っている時期。それなのにこれだけの選手が来てくれてうれしいし、正直、もう一度やれと言われたら難しい」

―(モウリーニョ監督に質問)インテルでの新たな仕事については?
●モウリーニョ監督
「今回の大会と直接関係ないので、答えられない。私は監督として来ているし、今回のゲームはただのフレンドリーマッチ以上の意味がある。いい選手もたくさんいるし、明日の試合を楽しみにしていてほしい」

―(モウリーニョ監督に質問)現役時代、スペシャルな選手ではなかったあなたが、スペシャルな選手を説得する秘訣とは?また、もしあなたが世界最高のストライカーを選べるとしたらだれになるか?
●モウリーニョ監督
「難しい質問だ。私はスペシャルな選手でもなかったし、スペシャルなコーチでもない。欧州にたくさんいる良いコーチのひとりで、たまたま大事な試合に勝つ機会があっただけだと思っている。選手は良い友人であり、彼らとの友情があるから、いろんな苦難を乗り越えてこれた。
 もうひとつの質問だが、選ぶことはできない。フットボールの世界は次から次へと良い選手が出てくる。マラドーナが現われ、引退したら、今度はジダンが現われ、また引退し、そうやって次から次へと良い選手が生まれてくる。私が選ぶとしたら、30人でもおさまりきらず、300人ぐらい選ばなくてはならないと思う。フットボールはそういうスポーツであり、だからこそ、日本の皆さんも、アジアの皆さんも、フットボールに夢中になるのだと思う」

<写真 記者会見で熱弁をふるうジョゼ・モウリーニョ監督>

(取材・文 西山紘平)

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