beacon

[全日本ユース(U-18)選手権]坂本4発!野洲が総体優勝校に快勝(野洲高vs市立船橋高)

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.15 高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)選手権大会グループリーグ第3節 野洲高 5-1 市立船橋 西が丘]

 野洲高(関西3、滋賀)と市立船橋高(全国高校総体優勝、千葉)。どちらも過去に全国高校選手権優勝の経験を持つ名門同士の対決は、試合前の予想とは裏腹に一方的なゲーム展開となり、5-1で野洲が勝った。
 先手をとったのは市立船橋だった。18分、ゴール正面で得たFKを主将で10番を背負うMF中村充孝が右足で狙う。壁に当たって跳ね返ったボールを再び中村が蹴りこみ、市立船橋が先制した。
 だが、野洲も黙ってはいない。4分後の22分に右サイドをMF卯田堅悟、MF藤野友貴の「セゾンFCホットライン」で崩すと、藤野がファーサイドのMF潮入啓太へ低く速いクロスを送る。トップスピードで走りこんだ潮入がダイレクトであわせ、すぐさま同点に追いついた。
 この1点で野洲の攻撃精神に火がついたのか、以降怒涛のアタックを繰り広げる。中心となったのが、右サイドのMF藤野だった。山本佳司監督から「シンプルにプレーすると、相手は対処しやすい。パスを回して、相手のがんばりをいなして1.5列目から飛び出して行こう」という指示を受けた藤野は、持ち味である切れ味鋭いドリブルを再三披露し、市船守備陣を切り裂いていく。
 野洲は藤野だけでなく、MF潮入、MF卯田の攻撃陣に加え、中盤の底に入ったFW登録のボランチ松永俊吾やCBの端山亮平までもが、インターセプトと同時にドリブルで相手陣内へと切れ込んで行く。
 守りどころを相手に絞らせない、野洲の全員攻撃の前に市船は防戦一方になってしまった。前半は1-1で折り返したが、後半6分にまたも藤野、卯田のコンビで右サイドを崩され、藤野の高速クロスにFW坂本一輝がボレーであわせて勝ち越しを許すと、残りの40分は野洲のショータイムとなった。
 後半15分には、藤野がドリブルで切れ込み、ファーサイドにクロスあげる。待ち構えていた坂本が打点の高いヘディングを沈めて3点目。後半18分にはMF上田大輔、ボランチ松永、FW坂本の鮮やかなパス回しから、逆サイドで待っていた藤野へサイドチェンジ。右に大きく振り、相手が食いついてきたところで逆サイドへと揺さぶる野洲らしい攻撃から、最後は坂本が決めてハットトリック達成。後半22分には潮入が後方から来たパスに反応し、体をひねりながら右足アウトサイドでスルーパスを出すという軽業師のようなプレーをやってのけ、パスを受けた坂本がダメ押しの4点目を叩き込んだ。
 守りに回る時間が多かった市船は、MF中村、2年生アタッカー・鈴木宏樹の個人技で野洲ゴールを脅かしたが、攻撃は単発の感が否めず。守備は野洲に崩され、結果的には大差がつくこととなってしまった。
 結果、2勝1敗の野洲が1位でグループ突破を決め、敗れた市立船橋は1分2敗。予選リーグで涙を飲んだ。
 野洲は9月21日、決勝トーナメント1回戦(藤枝サッカー場)で作陽高(中国2、岡山)と対戦する。

<写真>野洲のエース・坂本が総体王者から驚異の4発
(取材・文 鈴木智之)

TOP