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[ACL]浦和はACL初黒星もエジミウソンが貴重なアウェーゴール2発

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[9.17 ACL準々決勝第1戦 アルカドシャ3-2浦和 クウェート]

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝は17日、第1戦を行い、前回王者の浦和レッズはアウェーでアルカドシャ(クウェート)と対戦した。FKとPKで3失点を喫し、2-3で敗れたが、アウェーでFWエジミウソンが貴重な2ゴール。24日のホームでの第2戦につなげた。

 浦和は変則的な3-6-1のシステムを採用。GK都築龍太に、3バックは右から堀之内聖、田中マルクス闘莉王、坪井慶介と並び、中盤は山田暢久、阿部勇樹、細貝萌が3ボランチ気味に位置したが、山田暢が右サイドバックに下がり、4バック気味に並ぶ場面もあった。右サイドには永井雄一郎が張り、左サイドに相馬崇人、トップ下にポンテが入り、前線はエジミウソンの1トップだった。
 アルカドシャは4-2-3-1の布陣で、トップ下には元チュニジア代表MFベンアシュールが位置。先発のうち7人がクウェート代表選手だった。

 試合は立ち上がりからエジミウソンが積極的にゴールを狙う姿勢を見せた。前半2分に右足でミドルシュートを放つと、同4分にも後方からのロングボールに反応。ゴール前に抜け出すと、飛び出してきたGKの頭上を越すループシュートを放ったが、ゴールライン上でDFにクリアされた。
 しかし、ここからホームのアルカドシャがリズムをつかむ。攻撃陣が高い技術でボールをキープし、ショートパスをつなぐ。両サイドから積極的に攻撃を仕掛け、浦和守備陣を押し込んだ。前半18分には左サイドからのベンアシュールのFKにMFイブラヒムがバックヘッドで合わせ、先制に成功した。
 その後もアルカドシャがボールキープ率を高めるが、浦和はゴール前で体を張ったディフェンスを見せ、決定機を与えない。逆にカウンターからチャンスをつくり、前半30分には永井の右クロスをエジミウソンが落としてポンテが左足でシュート。GKの手をはじいたボールは惜しくもゴールポストに当たったが、同33分、同点に追いついた。
 細貝がドリブルで持ち上がり、右サイドの永井にスルーパス。永井がGKとDFの間に絶妙なクロスを送ると、エジミウソンが滑り込みながら精いっぱい伸ばした左足にボールを当て、ゴールに流し込んだ。

 後半立ち上がりは浦和が攻勢に出るが、アルカドシャがまたしてもセットプレーからゴールを奪う。後半12分、右45度の位置で獲得したFK。それまで山なりのキックでゴール前にクロスを上げ続けてきたキッカーのベンアシュールがここで浦和の裏をかき、右足で直接ゴールニアサイドを破る鮮やかなシュートを叩き込んだ。
 再び勝ち越された浦和は後半16分、ポンテの左CKを阿部がニアサイドでそらし、堀之内、エジミウソンが飛び込むが、わずかに届かず。後半26分にMF平川忠亮、同34分にFW高原直泰を投入し反撃を狙うが、暑さの影響か徐々に運動量が落ち、攻撃に連動性を欠いた。
 後半37分にはドリブル突破を仕掛けてきたFWモタワーを堀之内が後方から倒してしまう。ファウルの位置は明らかにPAの外だったが、主審はPKを宣告。このプレーで2枚目の警告を受けた堀之内は退場処分となった。
 アルカドシャはK・ムタイリが落ち着いてPKを決め、3-1とリードを広げる。10人になった浦和は崖っ縁に立たされたが、後半45分、執念のゴールで1点差に追い上げた。
 前線に上がった闘莉王が強引にPA内でドリブルを仕掛けると、DFと交錯し、こぼれ球がエジミウソンの目の前へ。これを豪快な右足ボレーでゴールに叩き込んだ。
 試合はそのまま2-3で終了。昨季無敗優勝を飾った浦和にとってはACL初黒星となったが、価値あるアウェーゴール2得点を記録した。24日のホーム戦では1-0、2-1でも準決勝進出が決まる。第1戦に敗れたとはいえ、ホーム大観衆の後押しを考えれば、状況は五分五分と言っていい。エジミウソンの2発で浦和が九死に一生を得た。

(文 西山紘平)

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