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[ACL]浦和が王者の風格で完勝、闘莉王はJ対決の準決勝に「ありがたい」

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[9.24 ACL準々決勝第2戦 浦和2-0アルカドシャ 埼玉]

 浦和レッズがアジア連覇へ、一歩前進した。アルカドシャ(クウェート)との準々決勝第2戦。アウェーでの第1戦を2-3で落とし、勝利が絶対条件の第2戦で王者らしい勝負強さを発揮した。

 前半31分、MFポンテの左CKをDFがクリアすると、そのはね返りをMF相馬崇人がダイレクトで左足一閃。「この前のゲームからチャンスのときに力んでいたから、1対1のときとか、こぼれ球が落ちてきたときとか、ボールが来たら力を抜いて蹴ろうと決めていた。あまり力まず蹴れてよかった」。アウト回転のかかった豪快なミドルシュートが2試合合計3-3、アウェーゴールで上回るという“逆転弾”になった。

 後半9分にはポンテの右FKの場面で、DF田中マルクス闘莉王が逆サイドに逃げる動きでマークを振り切り、フリーでボールを受けた。胸トラップで迫るDFをかわすと、豪快に右足を振り抜く。「とりあえずミートして逆サイドに蹴ろうと思った。相馬のゴールじゃないけど、よくミートしたと思う」と自画自賛の弾丸シュートでリードを広げた。「2点あれば守り切れる自信はある」と闘莉王。終盤こそ、反撃に来る相手に押し込まれたが、手堅く守り、危なげなく逃げ切った。

 17日のアウェーでの第1戦はまさかの3失点。「3失点すべてが自分の責任だと思っていた。ホリ(堀之内)の退場も自分の責任。3失点は自分が情けないプレーをしたから」と闘莉王は言う。その試合で右太もも裏を痛めながら、その後も休むことなく強行出場を続けた。チームに迷惑をかけた分を取り戻すため。値千金のダメ押し弾にも「これでチャラぐらい」と喜びは控えめだった。

 10月8、22日の準決勝の相手はG大阪。ACL史上初の日本勢対決となった。闘莉王は「ありがたい。移動しなくて済む。この日程で、もう1回移動したらみんな死んでしまうかと思っていた」と歓迎した。5月17日のJリーグでは2-3で敗れた相手だが、「別の大会だし、戦い方も違う。(負けたことは)気にせず、自分たちのやることをやって、前に進みたい」と強調した。準決勝で浦和とG大阪が激突することで、11月5、12日の決勝にも必ず日本勢が残ることになった。もちろん、その舞台に立つのは自分たちだと信じている。「再びあの場所へ、共に闘おう。」をキャッチフレーズに今季のACLに挑んだ浦和。その合言葉通り、再びアジアの頂点へ駆け上がるつもりだ。

<写真>この試合の両得点者、闘莉王(4番)と相馬(16番)
(取材・文 西山紘平)

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