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[ACL]遠藤が1得点2アシストで決勝に導く、「一丸となった結果」

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[10.22 ACL準決勝第2戦 浦和1-3G大阪 埼玉]

 MF遠藤保仁の右足がガンバ大阪を初の決勝の舞台に導いた。1点ビハインドで迎えた後半6分、遠藤の右CKにニアサイドでDF山口智がドンピシャのタイミングで合わせ、強烈なヘディングシュートをゴール左隅に叩き込む。さらに後半27分にも再び遠藤の右CKからニアサイドに走り込んだMF明神智和がDF坪井慶介と競り合いながら左足に当てると、ボールはポストに当たってゴールマウスへ吸い込まれた。とどめは後半31分だ。遠藤が右サイドのFWルーカスに展開すると、ルーカスが橋本に戻し、PA内にフリーで走り込んだ遠藤に橋本からスルーパスが届く。GKとの1対1を冷静に右足ダイレクトで流し込み、試合を決定付けた。

 後半3発の逆転劇。1得点2アシストと全得点を演出した遠藤は「先に1点取られたけど、最初から勝つつもりでやっていたし、後半に絶対逆転できると思っていた。チームが一丸となった結果」と謙虚に振り返った。CKからの2アシストにも「1点目は(山口)智がドンピシャで合わせてくれた。2点目は僕的にはキックミス。いいところに明神が入ってくれて、ラッキーというか。明神がうまかった」と、得点を決めたチームメイトに感謝。自らの3点目についても「完全に崩してたし、パスが来ればと思っていた。みんなでつないだゴール」と話し、チーム全員で奪ったゴールと強調した。

 自慢の攻撃陣が爆発し、いよいよACLのタイトルを射程にとらえた。ここまで順風満帆だったわけではない。夏場は公式戦9試合勝利から見放され、ナビスコ杯は準決勝で敗退し、リーグ戦でも優勝戦線から一時は完全に脱落した。遠藤自身、ウイルス感染症に苦しみ、オーバーエイジ枠で招集された北京五輪も辞退。FWバレーの電撃退団、相次ぐ負傷者などどん底を見たクラブが不屈の精神でよみがえった。勝因を聞かれた遠藤は「気持ち」と即答した。「みんなが自信を持ってプレーしていた。自分たちのスタイルに自信を持ってやっている。その自信が一番大事」と力を込めた。一度は地獄を見たからこそ、あとは駆け上がるだけだ。決勝は11月5、12日。「僕らに失うものはない。ガンバのスタイルを前面に出して、いい結果を出したい」。昨季の浦和に続くJクラブのアジア制覇。宿敵を下したG大阪が、一気に頂点まで上り詰める。

<写真>全員で掴みとった勝利に歓喜するG大阪イレブン

(取材・文 西山紘平)

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