beacon

[ACL]浦和がホームで王座陥落、闘莉王「もう1回這い上がりたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[10.22 ACL準決勝第2戦 浦和1-3G大阪 埼玉]

 真っ赤に染まったホーム・埼玉スタジアム2002で前年王者・浦和レッズが散った。1-3で試合終了。敗退を告げる主審の笛とともにDF田中マルクス闘莉王が顔を覆ったままピッチに倒れこみ、必死の声援を送っていたサポーターたちも静まり返った。各選手が重い足取りでサポーターへの挨拶に向かう中、ひとり立ち尽くしていたMF阿部勇樹はMFポンテに抱きかかえられるようにしてゆっくりと歩き出した。その選手たちをサポーターは、大きな拍手で迎えていた。先制ゴールを決めたFW高原直泰は「自分たちが今やれることはやった。結果はよくなかったがやれるだけのことはやった」と声を絞り出した。

 試合中盤までは思い通りの試合展開だった。立ち上がりこそ相手の攻撃に受身だった浦和だったが、その後は厳しいプレッシャーから試合の優位に立つ。17分にMF山田暢久が切り返しからの強烈な左足シュートでゴールを狙うと、その後もFWエジミウソンがゴールに迫るなど、G大阪を押し込んでいく。そして35分には相手のクリアミスを拾った高原が右足シュートをゴール左隅へと沈めて先制ゴールを奪う。
 2試合合計2-1。貴重な先制ゴールに喜びを爆発させた浦和の攻撃はさらに勢いを増した。39分にはMFポンテがドリブルで左サイドを独走。ラストパスにフリーで走りこんだFWエジミウソンが決定的な右足シュート。さらに42分にはポンテからのパスを受けた高原の左足シュートがクロスバーを叩いた。
 この流れのいい時間帯に試合を決めたかった。後半ややプレッシャーが甘くなっていた浦和は6分にセットプレーから失点。ゲルト・エンゲルス監督が「あと10分、そのまま1-0でいっていたら・・・そうすればわれわれのゲームだった」と悔しがった失点により流れはG大阪へと傾いた。そして27分にセットプレーから再び失点。逆転を喫してからFW田中達也、FW永井雄一郎を投入したがホームで喫した3失点を挽回するにはあまりに時間が少なすぎた。
 ライバル・G大阪に敗れての王者陥落。闘莉王は最後まであきらめずに声援を送っていたサポーターに対して「本当にありがとうと言いたい。最後まで力になった。感謝したい」。そして「サポーターを喜ばせるためにもう1回這い上がりたい」と誓った。リーグ戦は現在、首位・鹿島と勝ち点差6の5位。残りのシーズン、まずはリーグ戦での逆転Vに全力を尽くす。

<写真>試合終了と同時にピッチに倒れ込んだ田中マルクス闘莉王

(取材・文 吉田太郎)

TOP