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[ACL]浦和vs.G大阪 監督会見要旨

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[10.22 ACL準決勝第2戦 浦和1-3G大阪 埼玉]

 ACL史上初の日本勢対決はガンバ大阪に軍配が上がった。万博での第1戦を1-1で引き分け、埼玉スタジアムに舞台を移した浦和レッズ対G大阪の第2戦は、前半36分にFW高原直泰のゴールで浦和が先制したが、G大阪が後半にDF山口智、MF明神智和、MF遠藤保仁のゴールで3得点を奪い、3-1の逆転勝ち。2試合合計4-2とし、初の決勝進出を決めた。
以下、監督会見要旨


西野朗監督
「とても素晴らしくいいゲームができたことをうれしく思っているし、タフに戦ってくれた選手たちに感謝したい。やろうとしていることを整理して入れば、必ず勝ち上がれると思っていた。選手たちはうまくゲームコントロールしてくれたと思う。
 前半は本来のレッズの圧力に崩されて、苦しい時間があったが耐えてくれた。得点しないことには勝ち上がれないことは分かっていた。2点取らないといけないことは戦前から分かっていた。(前半先に失点したが後半)先制ゴールを取れたことから相手がダウンした。そしてスイッチした選手が流れを変えたり、2点取るゲームをプランどおりにできた」

―前半、G大阪のパス回しができなかったが?
「ハーフタイムにボールの動かし方、慌て過ぎているところを指摘した。つないでいこうということを再確認した。前半はレッズの圧力というより、雰囲気によってリズムを崩していたかと思う」

―勝負のポイントとなったのは、ハーフタイムに立て直したからか?それとも同点、勝ち越しのゴールか?
「(同点の)得点だと思う。リスタートからの得点はガンバの流れというのではないが、ああいう流れからとることが多い。アウェーゴールを取られたことでレッズ(のペース)が落ちた。(選手たちは)次のゴールで決める、ということでアグレッシブさを出していた。勝負どころで先取したことで勝利をつかんだと思う」

―同点で安田選手を下げて3バックにしたが、勝ち越して4バックにすることは考えていなかったのか?
「佐々木のサポートとして加地をオーバーラップさせるよりは佐々木の突破だけで(サイドの局面を)十分突破できると感じていた。レッズのバランスもよくなかったし。加地は守備のほうに重きをおいてもらうつもりだった」

―ロニーの先発起用については?
「先発はロニーですね。播戸、山崎、ロニーの中で、先発2トップを組むとしたらロニー。山崎は途中から流れを変える存在。(ロニーに関しては)物足りないところはあるが、著しく悪いというわけでない。先発型はロニーだと思う。ロニーに関してはストライカーとしての圧力などを期待しているが、悪い出来ではない」

―浦和はDF登録の選手が5人先発してきたが?
「堤が先発ということでヤット(遠藤)にマンマークでついてくることを想像していた。ヤットもついてくるんだったらひきつけて高い位置でプレーしたいと。二川とともに中盤で3-2の状況をつくることができたと思う」

―2点取るための具体的な指示は?
「前半はボールの動かし方が自滅だった。2点取ることについてはとり急ぐのではなく、まず佐々木と二川に前半以上のプレッシングを求めた。30分取れなくてもチャンスは来る。両サイドと全体のディフェンスの圧力を高めに入った。うちは縦への推進力が足りないので、まずはその流れを作った」

―3バックにする際に安田選手を交代させて、(攻撃的MFの)二川選手を左サイドに入れた理由は?あと武井選手が準備していたが、直前で播戸選手を起用した理由は?
「ミチ(安田理)というよりは、突破の形よりもボールをコントロールする意味で二川を残した。(守備面に関しては)二川はディフェンスができないわけではないので。播戸には4点目を取りに行けと言った」

―今大会はグループリーグ突破が目標と語っていたが決勝進出について?
「目標設定が低いと言われてきたが、グループが強豪ぞろいで、1位になることは難しかったと思う。だがアウェーの試合で負けていないというのは、相当力があると感じている。決勝は日本の代表として、戦わなければならない。カップを日本に持って来なければならない」

<浦和>
ゲルト・エンゲルス監督
「非常に悔しいけれど、まずはガンバにおめでとうと言いたい。われわれは決勝に出たかった。これは悔しい。前半非常にいいサッカーができた。切り替えがよくていいサッカーだった。ノブ(山田暢)、タカ(高原)が切り返しからいいシュートを打っていた。早くていいサッカーができていた。(リードしてハーフタイムを迎えたが)守りに入るのはまずいと思った。
 セットプレーでやられたのが悔しい。2-1になってからアウェーゴールがあるために、2点取らなければならない状況だった。前に出ないといけない状況で3-1になってより厳しくなった。3点目のゴールが大きかったと思う。最後までプライドを見せてサッカーをしないといけない中あきらめなかったが、奇跡を起こせなかった。
 今年は簡単なシーズンではないし、これからも簡単ではないと思う。でもきょうはサッカー自体はいいサッカーだった。こういうサッカーができたことはポジティブだと思う。試合が終わってからチームに言ったが、今あきらめるべきではないと思う。このチームは将来性があると思う」

―立ち上がり押し込まれたが、立ち直ったのは?
「プレッシングがいい形でできたと思う。1対1で勝ちながらわれわれのリズムになった。われわれはボールにプレッシャーをかけたかった」

―同点に追いつかれたCKの前にやや下がった、消極的になったように見えたが?
「体力的なものかもしれないが、それは回復できると思う。10分でもそのままで1-0だったら、またわれわれのゲームになったと思う。CKがなかったらOKだったと思う。後半の立ち上がりはわれわれのリズムだった。セットプレーをうまく守れれば、われわれのリズムの試合だったと思う」

―試合後に選手たちとともにサポーターへの挨拶に行ったが?
「感動的だった。サポーターにはサポートを感謝しなければならない。チャンピオンズリーグは今日で終わり。あのままチームとひとつになりたかった。一体感をみんなに見せたかった。チームは負けたが、チームとひとつになって、胸張ってプライドを持つことだと思う」

<写真>互いの采配が明暗を分けた両監督

(取材・文 吉田太郎)

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