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[ACL]G大阪らしい攻撃サッカーが爆発!西野監督「理想的な結果」

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[11.5 ACL決勝戦第1戦 G大阪3-0アデレード・U 万博]

 アジアの頂きが、はっきりと見えてきた。ガンバ大阪はホームでの第1戦に3-0と圧勝。12日のアウェーでの第2戦に向け大きなアドバンテージを手にし、昨年の浦和に続く日本勢による大会連覇をほぼ確実のものにした。西野朗監督は「理想的な結果だと思う。自分で描いていた最高の結果を選手が出してくれた」と手放しで喜んだ。

 G大阪のパスサッカーは終始、アデレード・Uを圧倒した。シュート数でも17対3。後半ロスタイムにMF遠藤保仁の直接FKがオフサイドの判定で取り消される不運も、笑って済ませられる完勝だった。西野監督は「3点取って勝ったのはガンバが目指している形だし、去年の優勝(浦和)とは違う勝ち上がり方をしたいと思っていた。ファイナルでこういうゲームができて、うちらしいサッカーができたと思う」と自画自賛する。昨季、守備力を武器にアジアの頂点に駆け上がった浦和。それとは真逆の攻撃的サッカーでタイトルを獲ることにこだわってきた。その姿勢が、この日の大勝劇を呼び込んだ。前半で2点をリードする展開にも、膠着状態に入った後半18分、「攻撃のメッセージを」とボランチのMF明神智和を下げて、FWの山崎雅人を投入。2トップにしてさらなる追加点を狙い、後半23分の3点目につなげた。その後もFWロニーを投入するなど最後まで攻撃の手を緩めなかった。遠藤は「4点目を取りに行くつもりだったし、ビッグチャンスもあった。欲を言えば4点目を取りたかった」と貪欲に語った。

 苦しみながら完成させた“ガンバスタイル”。FWバレーの電撃退団に揺れた夏場には公式戦9試合勝利なしという長いトンネルに迷い込んだ。西野監督は「その前にも主力選手(京都に移籍した水本裕貴)が動いたり、選手には申し訳なかった。いろんな動揺、影響があったシーズン。バレーが退団して成績が悪いというのは認めたくなかったが、影響はあった」と語った。決勝ラウンド前の公式会見では「決して今はいい状態ではない」と自信を失っているかのような表情も見せていた。それでも9月17日の準々決勝第1戦、シリアでのアルカラマ戦に2-1で勝ち、公式戦10試合ぶりの勝利を飾ると、チームは鮮やかによみがえった。「厳しい中でシリアに行った。まったく勝てない時期で、一番コンディションが悪いと思っていたが、そのときに勝てて持ち直せた。いろんなことを模索しながら、選手が引き上げてくれた。選手のスピリット、一体感を9月から感じながら、苦しい中で積み上げてきた」。ターニングポイントとなった一戦をそう振り返り、苦境を脱した選手の精神力、メンタリティーを称えた。

 「きょうで終わってくれればいいけど」。西野監督はそう冗談交じりに語った。圧倒的に優位な状況とはいえ、まだあと1試合残っている。「まだ半分終わっただけ」と遠藤も言う。残り90分間。たとえアウェーでも、決勝第2戦という大事な試合でも、自分たちのスタイルを崩すつもりはない。「引き分けとか考えず、勝ちに行く試合をしたい。きょうみたいなサッカーをアウェーでも見せたい」と遠藤は誓った。最後までG大阪らしい攻撃サッカーを貫き、アジアのタイトルに花を添えるつもりだ。

<写真>G大阪西野監督
(取材・文 西山紘平)

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