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[選手権]鹿島入団内定の大迫勇が初陣2発(青森山田vs鹿児島城西)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[12.31 第87回全国高校サッカー選手権大会1回戦 青森山田(青森)3-4鹿児島城西(鹿児島) 市原臨海]

 今大会ナンバー1ストライカーの呼び声高い鹿児島城西(鹿児島)のFW大迫勇也(3年)が選手権初陣で鮮烈な2発デビューを飾った。前半24分までに2失点を許しながら、「自分たちは点を取れると信じていたし、焦ることはなかった」と落ち着き払っていたエースがチームを逆転に導いた。

 前半29分にMF大迫希(3年)のゴールで1点差に迫ると、前半ロスタイム、大迫希の縦パスを受けた大迫勇がドリブルでDFをかわし、冷静に右足でゴール左隅に流し込んだ。「あれが一番大きかったと思う」と自画自賛した前半終了間際の同点ゴールで、後半は一方的な試合展開となった。

 勝ち越しゴールも大迫勇の右足だった。後半13分、相手クリアボールを拾ったDF松井駿佑(3年)がゴール前に浮き球のパスを送ると、背番号9は一瞬左足でシュートを打つと見せかけ、GKが前に出ているのを確認すると「とっさの判断で」右足でボールを浮かし、鮮やかなループシュートを決めた。後半24分には大迫希の右クロスを右足ボレー。これはポストに当たったが、跳ね返りをFW野村章悟(3年)が押し込み、4-2とリードを広げた。後半ロスタイムに1点を返されたが、4-3で初戦突破。「年間通してこんな試合ばっか。ノーガードの撃ち合い」。小久保悟監督はそう苦笑いしたが、その攻撃力で優勝候補の一角に挙げられている鹿児島城西らしい破壊力を存分に見せつけた。

 2得点の活躍にも大迫勇は至って冷静だった。ゴールを決めても派手なパフォーマンスで喜びを爆発させるようなことはない。「うれしかったけど、まだ試合は終わってなかったので」と淡々と振り返った。鹿島、浦和、柏、F東京、東京V、大分という6チームが争奪戦を繰り広げた逸材。「チームの雰囲気も良くて、自分が一番成長できる場所だと思った」と鹿島入団を決断したエースは「1点1点にこだわっていきたい。得点王は意識していない。チームが勝つことを第一に考えている」と言い切った。まだ1回戦。チームが優勝を成し遂げたときこそ、感情を爆発させる大迫勇の姿が見れるはずだ。

<写真>2得点の活躍でチームを逆転に導いた鹿児島城西のFW大迫勇也(左)

(取材・文 西山紘平)

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