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[選手権]鮮やかな“トリック”2発!淞南がV候補撃破(桐光学園vs立正大淞南)

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[12.31 第87回全国高校サッカー選手権1回戦 桐光学園(神奈川) 0-2 立正大淞南(島根) 三ツ沢]

 地元・神奈川県代表の桐光学園の登場に10,000人の観衆が集まったニッパツ三ツ沢球技場の第1試合は、2年ぶり5回目の出場となる桐光学園と2年ぶり9回目出場の立正大淞南(島根)が対戦。MF川添賢太(3年)の右足FKで先制した立正大淞南が後半にも1点を加え、2-0で勝った。立正大淞南は09年1月2日の2回戦(等々力)で大津(熊本)と戦う。

 立正大淞南が考え抜かれたセットプレー2発で優勝候補の一角を沈めた。淞南は試合開始早々の3分、中央左サイド寄り、PAやや外の位置でFKを得る。桐光DFの壁の前にひざ立ちした淞南の5選手がGKの視界を遮ると、「FKになったら決めることができると思っていた」という川添が右足を一閃。壁の外側をすり抜けたボールは、反応のやや遅れたGKをあざ笑うかのようにそのままゴール左隅へと吸い込まれた。
 まさかの失点の後、U-19日本代表FW瀬沼優司(3年)とFW寺内渉(3年)の2トップ、そして再三左サイドからチャンスを演出したMF岸本伸(3年)を中心に桐光攻撃陣が猛攻を仕掛ける。だが松田陸(2年)と寺本拳人(3年)の両CBを中心に守る淞南は激しいチェックで応酬。相手にゴールを許さない。さらに桐光MF久保昌成主将(3年)のヘディングシュートがクロスバーを叩く幸運にも助けられた淞南は後半6分、1点目と同様に考え抜かれた“トリックプレー”から再びゴールを破った。右CKを得ると、相手にショートコーナーと思わせる動きをしながら、グラウンダーのボールをゴール前へ入れる。コーナーへ向けて走った2人の選手がスルーすると後ろから走り込んだ3人目・川添が右足シュート。これが前方の松田陸を経て、最後はFW小坪巧主将(3年)が左足でゴールネットを揺らした。小坪が「こういう(意表をつく、相手を惑わす)形でしか点を取れない」と選手たちで考え、磨かれたセットプレーが見事にはまり、淞南が2点のリードを奪った。

 苦しい展開となった桐光は後半21分、MF西川聡一郎(2年)のループパスでGKと1対1となった瀬沼が決定的なチャンスを得たが、ループシュートをミス。さらに24分には強引な突破から右足シュートを放った瀬沼の一撃が左ポストを直撃、跳ね返りが右ポストにも当たりGKの手中に収まるという不運にも見舞われた。両サイドを中心に再三攻撃を仕掛けた桐光だったが、GK熊野一樹(3年)ら相手の粘り強い守りの前に徐々に冷静さを失っていき、クロス、シュートミスを多発。「自分たちがめっちゃできたんで、いい試合になった」と松田陸が振り返る淞南が、会心の試合内容で2回戦進出を決めた。

<写真>前半3分、立正大淞南・MF川添(左)がFKをねじ込み、先制!
(取材・文 吉田太郎)

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