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[選手権]点取り合戦を制した徳島商が2回戦進出(韮崎vs徳島商)

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[12.31 第87回全国高校サッカー選手権大会1回戦 韮崎(山梨)3-4徳島商(徳島) 駒沢]

 34回目の選手権出場となる韮崎(山梨)と37回目という最多出場記録を誇る徳島商(徳島)の"名門校決戦"は計7得点のゴールショーとなった。4-3というギリギリのスコアでこの試合を制した徳島商が、1月2日の広島皆実(広島)との2回戦に駒を進めた。

 「今年のチームは能力が高い」と話していた徳島商・河野博幸監督(34)の言葉通り、チームの主力選手たちが決めるところでキッチリと仕事をした。まずは前半19分、左CKからのこぼれ球をFW中川裕介(3年)が右足でゴールに叩きこむと、同32分には相手ボールを奪取したMF弓場広介(2年)がドリブルで中央を突破し、ゴール左下にシュートを蹴り込んだ。徳島商は一気に2-0とすると、後半開始早々の後半2分にもゴール前のFW中川との連携からFW佐々木一輝(3年)が左隅のゴールネットを揺らす。すると、その6分後にもFW中川からのスルーパスを受けたFW佐々木がドリブルでPAに侵入。「パスがとにかく良かったので、あとはもう入れるだけでした」と言うFW佐々木は2得点目となるシュートを再び左隅に蹴り込み、後半早々に4-0と大量リードした。
 「あんなに簡単に失点していたら、勝てる筈がない」。そう話した韮崎の深沢一とも監督(47)だったが、この後韮崎も意地を見せつけ追い上げる。徳島商がクリアしても韮崎の誰かが拾う全員攻撃で、僅か9分間で3得点を奪うゴールラッシュを披露した。後半31分、ゴール前で横パスを受けたMF小林拓磨(2年)がゴール右上にシュートを決めると、同34分には県大会の準決勝、決勝で全3得点を決めたFW岡本章吾がゴールど真ん中にフィニッシュを蹴り込む。そして後半39分には、突発性難聴という重病で約2ヵ月間戦列を離れていた西室歩紀(2年)がFW岡本からのパスを気持ちで押し込んだ。「あれだけ余裕があったのに、選手たちは1失点目で一気に気持ちが動揺した」と徳島商指揮官が話すと、FW佐々木も「最後の韮崎の全員攻撃は凄かった。僕らはラインが下がり過ぎて対応ができなくなった」と猛省した。
 試合終了直前の猛攻で、3-4まで追い上げを見せた韮崎だったが、惜しくもここで時間切れ。激闘の軍配は徳島商に上がった。「悔しい。残り10分間で見せた試合を、もっと早くからして欲しかった」。チームを率いた指揮官にとっては悔やんでも悔やみ切れない敗戦となった。一方、勝ち上がった徳島商・河野監督は「勝ててホッとしている。最後の3失点をよく反省して2回戦へ切り替えます」。昨年は初戦で敗退しただけに、今年の2回戦は何が何でも突破するつもりだ。

<写真>試合後、勝利の喜びをスタンドのファンと分かち合った徳島商イレブン
(取材・文 山口雄人)

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