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[選手権]近大和歌山が劇的勝利で初戦突破(北海vs近大和歌山)

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[12.31 第87回全国高校サッカー選手権大会1回戦 北海(北海道)1-2近大和歌山(和歌山) 駒場]

 駒場スタジアムの第2試合は、3年ぶり9度目の出場となる北海(北海道)と、昨年度選手権ベスト16の近畿大学附属和歌山(和歌山)のカード。近大和歌山が一度は同点に追いつかれるも、後半終了間際にDF徳田雄大(3年)のヘディング弾で勝利を飾る。これで近大和歌山は、1月2日に長崎日大(長崎)との対戦が決まった。

 サッカーの"色"は対照的だった。3トップを敷く北海はボールを大事に繋ぎ、ウイングを起点に左右から攻め入る。対する4-4-2システムの近大和歌山は、同じくサイド攻撃がウリだが、ロングボール主体でパワーと速さで勝負を挑む。

 序盤は近大和歌山が持ち味を発揮しペースを握り、13分に先制を決める。右サイドをスピーディなドリブルでMF谷口総康(3年)が突破し、センタリング。中に走り込んだMF中村太祐(3年)がトラップから右足で沈めた。しかし、その後は北海が個人技を活かしてボール保持率で優位に立つ。そして27分、左CKをDF廣瀬拓哉(3年)が頭で折り返し、ゴール前の混戦でオウンゴールによる同点弾が生まれる。その後も北海がゲームを支配。50分過ぎまで近大和歌は守勢に回ることに。

 ところが、近大和歌山は55分以降から息を吹き返す。それは55分に180cmの長身FW小川大輔(3年)が途中出場したのがきっかけ。彼が前線でターゲットになり、後方からのロングパスが、実を結び始めたのだ。その圧力に押され、焦りが出た北海は「パスが中に集中し、本来のウイングで起点を作るサッカーができなくなった」(DF兼子到主将・3年)。
 
 70分、72分に北海は立て続けに決定機を作られるも、近大和歌山・FW土橋克哉(3年)のシュートミスに救われる。ところが終了間際の79分にドラマが待っていた。左CKからのハイボールをファーにいた徳田が、渾身のジャンプヘッド。これが決まって、近大和歌山に勝利の女神が微笑んだ。

(取材・文 小林智明)

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