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[選手権]パススタイル同士の戦いは日章に軍配(富岡vs日章学園)

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[12.31 第87回全国高校サッカー選手権大会1回戦 富岡(福島) 0-2 日章学園(宮崎) 埼スタ]

 埼玉スタジアム2002の第1試合では、創部3年目で初出場を勝ち取った富岡(福島)と2年連続6度目の出場となった日章学園(宮崎)が対戦。日章学園が後半に2点を奪い、1回戦を突破した。日章学園は1月2日に行われる2回戦(駒場)で筑陽学園(福岡)と戦う。

 両者ともパスサッカーで予選を勝ち抜いてきたが、大舞台で持ち味を発揮できたのは日章学園だった。

 開始1分にセットプレーのこぼれからDF本田慎之介(3年)が決定機を作るなど、序盤は富岡がペースを握ったものの、20分過ぎからはボールを持つとサイドから攻撃を組み立てた日章学園が流れを引き寄せていく。特に指揮官の息子・早稲田昂平主将(3年)がピッチの至るところに顔を出し、抜群のキープ力で起点となって攻撃陣を牽引した。

 22分、MF小高聖二朗(3年)のパスを受けた早稲田がシュート、その2分後には早稲田のクロスにDF岩崎哲朗(3年)が頭で合わせる。ともにゴールこそならなかったが、序盤の固さがすっかり取れた日章学園が優位に試合を進めていく。

 「前半の勢いでずっとプレッシングを掛けて、もっとアグレッシブに行こう」と早稲田一男監督から送り出された日章学園の選手たちは後半に入っても攻勢を緩めない。すると60分、小高のスルーパスに抜け出したFW梯太己(3年)がゴール前で落ちついて決めて、待望の先制点を挙げた。

 残り3分となった77分、日章学園は岩崎がこの日2枚目のイエローカードを受けて退場というアクシデントに見舞われるが、79分に早稲田が相手セットプレーのこぼれからカウンターでトドメの一撃。「1人少ない中で点を取るのはカウンターしかないと思っていたので、あれは狙っていました」という計算どおりの追加点で試合を決めた。

 富岡は優位に立っていた序盤で得点できなかったことがすべてだった。次第に日章学園のプレスとパスワークに苦しめられるようになり、本来のサッカーを展開できない上に2トップの早稲田、梯の縦関係のコンビネーションにも後手を踏むようになっていった。

 序盤こそ苦戦したものの、主導権を握ってからは安定した攻撃力と守備力を見せた日章学園が、2回戦へと駒を進めた。

<写真>ダメ押しゴールで勝利を決定づけた日章学園・早稲田(右)がチームメイトと喜ぶ
(取材・文 神谷正明)

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