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[選手権]日章・早稲田、全国初ゴール(富岡vs日章学園)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[12.31 第87回全国高校サッカー選手権大会1回戦 富岡(福島) 0-2 日章学園(宮崎) 埼スタ]

 夢に向かって新たな第一歩――。 
  2007年度の高校サッカー選手権、日章学園は父・早稲田一男と息子・昂平の親子鷹で、父がかつて帝京高校で成し遂げた全国制覇を目指した。しかし結果は2回戦敗退。しかも、2年生ながらストライカーの重圧を背負った昂平は全国で1ゴールも挙げられず、静かに舞台を後にした。
 「点を取ることは個人的な目標だった」
 あれから1年。昂平は雪辱を果たさんと努力を続けて再び全国のチケットを手に入れ、そして初戦の富岡戦で早くも誓いを成就させた。1-0のリードで迎えた終了間際の79分、相手FKを跳ね返すと昂平はいち早く最前線に飛び出した。その2分前にはチームメートが退場処分を受け、数的不利を強いられていた。「(向こうが)一人多い中で点を取るにはカウンターしかないかなと思って、あの場面では狙っていました」。
 FW梯太己(3年)のパスを受けて完全フリーでGKと1対1の場面を迎えた昂平は冷静そのものだった。状況を的確に分析し、相手の頭上をふわりと抜くクレバーなシュートで念願の全国大会初ゴールを決めた。
 1年生のころから試合に出ていたが、監督が父親ということでいろんなプレッシャーにさらされてきた。しかし「自分が力をつけて見返すしかない」と部活が終わったあとも毎日練習して実力を磨き、逆境を糧にてきた。
 その甲斐もあって全国初ゴールの目標は達成した。だが、夢の終着点はまだ先にある。「父の選手権決勝のVTRを見たことがあるんですけど、それが国立だったので、自分もそこでプレーしたいなと思っています」。
 小さい頃から周囲の人から父の偉大さを教えられ、その大きな背中を見て育ってきた。
 「自分の仕事はゴールを決めること」
 父と同じくストライカーの道を歩んだ昴平はチームの勝利のため、憧れの国立のピッチに立つため、偉大な父と肩を並べるため、父と二人三脚で頂点を目指す。

(取材・文 神谷正明)

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