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[選手権]怒涛の3分間3発!大津が難敵下す(大津vs立正大淞南)

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[1.2 第87回全国高校サッカー選手権2回戦 大津(熊本) 4-1 立正大淞南(島根) 等々力]

 夏の全国高校総体4強の大津(熊本)と立正大淞南(島根)が等々力陸上競技場の第1試合で対戦し、大津がMF西田直斗(3年)の2得点など4-1で勝った。大津は明日3日の3回戦(三ツ沢)で藤枝東(静岡)と対戦する。

 わずか3分間で3得点。初Vを狙う大津が怒涛の猛攻を見せた3分間で試合を決めた。まずは1-1で迎えた前半36分だ。左CKを得た大津は、DF岩崎司(2年)がGKの近く、ゴールエリア付近にボールを放り込む。ボールに向かってMF谷口彰悟(2年)、DF藤本大主将(3年)らが飛び込んだ大津に対し、淞南GK熊野一樹(3年)は腕を伸ばして何とかクリア。だがボールはこの日すでに1点を挙げている大津の背番号10・西田の元へ。「(6分前に追いつかれたばかりだったが)ここで負けたくなかった」と言う西田がすぐさま右足を振りぬくと、ボールはゴールへ突き刺さった。
 大津の平岡和徳監督が「(CKでは)空中戦の強い5(比嘉)と8(谷口)を(GKに近いところへ)入れて抜けてきたところを点につなげるという作戦だった。点につながったのは良かった」という作戦通りに生まれた一撃。得意のセットプレーからDF松田陸(2年)が同点ゴールを決めた淞南のお株を奪う、セットプレーからの勝ち越し弾だった。

 度重なるピンチを耐えて6分前に何とか同点に追いついたばかりだった淞南には痛過ぎる1点。逆に勢いに乗った大津は直後の37分、この日圧巻のプレーを見せていた右SB森秀太(3年)が鮮やかな個人技で中央突破。そして左サイドへ出されたラストパスをMF蔵田岬平(3年)が豪快に左足で決めて3-1とした。さらに39分にはMF岩本栄一郎(3年)が強烈な左足ミドルを突き刺し3点差。この時点で試合の大勢は決まってしまった。2アシストの森は「(自分の突破で)チームが勢いに乗ってくれてよかった」と笑顔を見せた。

 追いかける淞南は後半18分までにアタッカー3人を投入。FW小坪巧主将(3年)と前半途中から出場したFW松田力(2年)の2人が相手DF裏のスペースを狙って再三仕掛けていった。だが、藤本、寺本健人(3年)の両CBらが積極的に前へ出る守備で相手を封じた大津が、3点のリードを守ったまま試合を終えた。
 大津は試合を通して正確なパスでボールを運び、局面では相手DFがプレッシャーに来る前にスピードアップ。連係のよさと個の力で次々と局面を打開するなど、レベルの高い試合内容で難敵・淞南を退けた。オーバーヘッドシュートで先制ゴールも奪った西田は「明日も続くので、緩まないようにやる」。2戦7得点と波に乗る大津。完成度の高いサッカーを見せる青いユニホームのこの波は、なかなか収まりそうにない。

<写真>前半36分、大津・西田(左)が勝ち越しゴールを決める
(取材・文 吉田太郎)

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