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[選手権]1年生FW大西の2発で香川西がV候補・市立船橋を撃破!(市立船橋vs香川西)

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[1.2 第87回全国高校サッカー選手権大会2回戦 市立船橋(千葉)1-2香川西(香川) 市原臨海]

 3大会連続4回目の出場の香川西(香川)はFW大西晃広(1年)の2発で、優勝候補の市立船橋(千葉)を2-1で撃破。3日の3回戦・前橋育英(群馬)戦に駒を進めた。

 風上に立った前半、そのメリットを最大限に生かした。開始早々の1分、右CKのチャンスに「監督から“最初のCKは直接狙って行け”と言われていた」というMF登里亨平主将(3年)が左足で鋭く曲げ、直接ゴールを襲い、市立船橋守備陣を慌てさせた。「あれで相手をビビらせられた」と登里。浮き足立った相手に対し、香川西イレブンは強風の後押しも受け、立ち上がりから猛攻を仕掛けた。

 前半18分、登里が左サイドからドリブル突破でDFを抜き去り、ゴール前に折り返すと、大西が難なく左足で押し込み先制点。前半24分にもDF田中集(2年)のフィードから最終ラインの裏に抜け出した大西が右足ダイレクトボレーでゴールニアサイドを破った。

 1年生にしてこの日のヒーローになった大西は「まさか点が取れるとは思ってなかった」と初々しい表情だった。徳島出身だが、テレビで見る香川西のサッカーにあこがれ、「練習にも参加して、とてもいいチームだと思った」と“越境留学”を決意した。全国大会の前の練習試合でプレーに精彩を欠き、「他の1年生メンバーと一緒に髪を5厘刈りにして気合いを入れた」という丸刈りのストライカーは「チームのために点が取れてよかった」と白い歯をこぼした。

 風下に回った後半は市立船橋の反撃に遭ったが、前半で奪った2点のリードを生かし、1失点に食い止めた。チームでは大会の1週間前から牛肉を食べることを禁止している。「体のキレに良くないということみたいで、鶏肉はいいけど、ずっと牛肉は食べてない」と大西は明かした。その効果があったか、80分間を通して市立船橋に走り勝ち、「少しは効いたかなと思う」と笑った。

 市立船橋は昨夏の全国総体3回戦で0-1と敗れた因縁の相手だった。「総体で接戦で負けて、選手権に懸ける思いは強かった。対戦相手が決まって、練習の雰囲気も変わった」と大西。総体後にレギュラーに定着した1年生FWの存在が、夏と冬の違いの象徴的存在でもあった。市立船橋へのリベンジが、初出場の94年度大会以来、14大会ぶりの勝利となり、全国選手権2勝目を飾った。「気を引き締めて上を目指していきたい」。優勝候補を打ち破り、香川西が大会のダークホースに躍り出た。

<写真>2得点を決めた1年生FW大西晃広(中央・18番)

(取材・文 西山紘平)

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