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[選手権]「狙い通り」のゴールで広島皆実3回戦へ(広島皆実vs徳島)

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[1.2 第87回全国高校サッカー選手権大会2回戦 広島皆実(広島)2-1 徳島商(徳島) 駒沢]

 駒沢陸上競技場で行われた2回戦第1試合は、1回戦で名門・帝京高(東京A)を撃破した広島皆実(広島)と徳島商(徳島)のカード。広島皆実は持ち前のパスワークで前半から試合を優位に進め、MF佐々木進(3年)とDF秦和広(2年)のゴールで2-1。昨年度ベスト8の力を見せつけ、徳島商を一蹴した。広島皆実は明日3日、駒沢で作陽(岡山)と3回戦を戦う。

 前半、試合を支配したのは広島皆実。「(退場者を出しても10人で勝ち切れた)帝京戦で学んだ"気持ちの強さ"を前面に出していけ」。藤井潔監督(35)の指示通り、選手たちは開始から果敢に攻めた。パス能力の高い両ボランチを中心にワイドへ散らし、県大会9得点のFW金島悠太(3年)、同じく2得点のFW玉田耕平(3年)と縦の連携を取った。1回戦で退場処分になったDF崎原拓也(3年)の代わりに左SBに入ったDF秦も積極的に攻撃参加し、厚みのある攻撃を見せた。先制点は前半23分、得意のカウンターから。中盤のMF谷本泰基(3年)が右サイドにふるとドリブルで切れ込んだMF宮下航(3年)が中へ繋ぎ、MF佐々木進がGKの動きを見極めるような落ち着いたシュートを右足で流しこんだ。

 するとその6分後、1回戦を4得点勝利で勝ち上がってきた徳島商もカウンター返しを見舞う。広島皆実からボールを奪取するとFW中川裕介(3年)からパスを受けたFW佐々木一輝(3年)がレーザービームのような弾丸ミドル。風上の追い風を受けたボールは一瞬にしてネットに突き刺さった。

 1-1で迎えた後半。「1点返してパス回しにリズムが出てきても、攻撃が単発だった。もっと厚みのある攻撃が出来ていたら良かったが、パスミスが多すぎた」。河野博幸監督(34)がそう話したように、徳島はボールのおさまりが悪く、前半同様に広島皆実に主導権を奪われた。試合の流れを掴んだ広島皆実は、風の流れをも味方につけ、後半21分に加点に成功する。「ゴールに向かって強い風が吹いていたので、これはイケると思った」というDF秦が、右CKからゴール側に巻き込むようなクロスを左足で上げる。すると高く上がったボールはゴール前で急激にカーブし、そのまま左端ネットを揺らした。秦曰く、「まさに狙い通り」の鮮やかな得点だった。「崎原先輩の為にも決めたかった」という秦は、ゴール後スタンドの崎原に指を一本立てアピール。崎原はガッツポーズで秦に応えた。「試合はある程度プラン通り。あとは相手の嫌がるようなプレスで苦しめるだけだった」。藤井監督の言葉取り、広島皆実はその後も堅守で守りきり、2-1で勝利。目標の全国制覇に向けて、明日優勝候補の一角・作陽(岡山)との戦いに挑む。
 
(取材・文 山口雄人)

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