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[選手権]京都入団の市立船橋・中村「チームを助けられなかった」(市立船橋vs香川西)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[1.2 第87回全国高校サッカー選手権大会2回戦 市立船橋(千葉)1-2香川西(香川) 市原臨海]

 市立船橋(千葉)のFW中村充孝主将(3年)は茫然と立ち尽くした。まさかの初戦敗退。目の前の現実を受け入れられないかのように、何度も首を振った。

 堅守を武器に激戦の千葉県大会を勝ち上がった“イチフナ”が前半だけで2失点。「ハーフタイムはみんな気持ち的に落ちて、下を向いていた。前半は忘れようと話して、残り40分間、死ぬ気でやった」。風上に回った後半は猛反撃に出た。後半21分に1点差に迫ったが、あと1点が届かない。「4年ぶりに(全国選手権に)出て、みんなに注目される中、初戦が一番大事だと思っていた。正直、すごく緊張していた」。中村はそう言ってうなだれた。

 「チームを助けられなかったのが悔いが残る」。チャンスはあった。前半12分、右サイドを突破したFW野口翔太(3年)の折り返しは中村の足元に入ったが、トラップが大きくなり、DFにクリアされた。絶好の先制機。「あそこでチームに勢いを付けられれば…」と唇をかんだ。

 卒業後は京都への入団が内定している。「この悔しさをプロに引きずってはいけない。すぐに切り替えてやりたい」と気丈に前を向いた。このメンバーで一緒に戦うことはもうない。だが、プロのピッチで自分の成長した姿をチームメイトや後輩たちに見せることが、高校3年間の恩返しになる。

<写真>市立船橋のFWFW中村充孝は主将として懸命にチームを引っ張ったが…

(取材・文 西山紘平)

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