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[選手権]後半に底力発揮した作陽が4点弾で勝利(星稜vs作陽)

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[1.2 第87回全国高校サッカー選手権大会2回戦 星稜(石川)2-4作陽(岡山)]

 駒沢陸上競技場の2回戦第2試合では、10年連続出場の星稜(石川)と一昨年度のファイナリスト・作陽(岡山)のシード校同士が激突。拮抗したゲームとなったが、後半地力を爆発させた作陽がMF亀井拓実(3年)、MF淵本翔太(3年)らの計4得点で星稜を下し、3回戦へと駒を進めた。作陽は明日3日、広島皆実(広島)と対戦する。
 
 何度も練習試合をし相手を知り尽くしている実力校同士の一戦は、立ち上がりから膠着した。「僕らが両ワイドを走らせて、相手のSBを疲れさせる。中盤では僕らがハードワークして、相手の攻撃の芽を潰す」。試合前、1年間中盤の底でコンビを組んできたMF亀井とそう話していたMF淵本の狙いは、前半31分にヒットする。左サイドを突破したMF花瀬裕也(3年)からPAのMF中村翔(3年)にボールが渡るとゴール前で混戦となりGKも交えた団子状態に。そこからかき出されたボールを、ゴール前に詰めていた花瀬が打ち込んだ。その後も作陽は両ワイドからの攻撃で星稜を攻め上げた。後半16分には、右サイドが起点となり最後はMF亀井が押し込んだ。
 
 作陽は、後半62分に星稜のFW長河原悠矢(3年)にゴールを許したが、その5分後、今度はワイドではなく中央から加点する。中盤でキープしたMF淵本は、変幻自在のドリブルで突破。あっという間にDF3人を抜き去りゴールに蹴り込んだ。「やはりドリブルで突破してからのゴールが何よりも気持ち良いです。あの得点はみんなのハードワークの賜物」と淵本。作陽は終了間際にも、MF村上綾(3年)とのワンツーから前線に抜けだした中村がドリブルでピッチ中央を独走しシュート。「相手のSBが前がかりに来ていたので、逆に中をドリブルで仕掛けてやろうと思った」と中村。作陽は前半からワイド攻撃を頻繁に仕掛けていき、その攻撃がボディーブローのように効いてきたところで、今度は中から崩し星稜のとどめを刺した。前半の膠着が嘘のような底力だった。

 試合後、星稜の河崎護監督(49)は悔し紛れに完敗宣言。「県大会を無失点で来ていたので、ここの4失点はショック。作陽は決定力もキックも持ってる。今日は個人の技術の差が大きかった。後半1-2として、さあこれからという時にすぐさま3点目を決められたのが痛い。うちの両CBの良さも完全に消されてしまった。この1週間、作陽対策に悩み過ぎてしまったところがある」。

 一方、作陽の野村雅之監督(42)は、「明日戦う広島皆実は何度も戦っていて結果が出せていない。恐らく今日と同じメンバーで臨むと思うが、とにかく勝ちたい」。また、チームの中心選手の淵本も「明日がこの大会のヤマです。しっかりと3年間監督に教わったサッカーを出したい」。08年の高円宮杯全日本ユース選手権で高校勢唯一の4強入りを果たした作陽が、山場の決戦・広島皆実戦を3日迎える。

(取材・文 山口雄人)

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