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[選手権]鹿児島城西、圧勝!(鹿児島城西vs.大阪桐蔭)

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[01.02. 第87回全国高校サッカー選手権2回戦 鹿児島城西(鹿児島) 5-2大阪桐蔭(大阪) 柏の葉]

 1回戦で鹿児島城西は、青森山田(青森)に4-3で勝利。大阪桐蔭は不来方(岩手)に5-0で圧勝。絶対的エースFW大迫勇也(3年)を擁する城西に対して、勢いに乗る桐蔭がどこまで健闘できるかが注目だったが、結果は城西の圧勝。城西は、3日の3回戦(市原臨海)で宇都宮白楊(栃木)と対戦する。

 ひとことで言えば“大迫勇也・劇場”。試合後、大阪桐蔭の永野悦治郎監督(41歳)は「(守備の際)焦って、ズルズルと下がってしまった」と敗因を語った。そして、大迫勇に関して「あんな選手が“うちにもいれば”とは、思いました」とも――。

<得点経過>
12分 1-0 得点=城西=MF河野圭亮(3年)
*大迫勇が粘って“つなぎ”、MF室屋良憲(2年)がシュート→こぼれ球を、河野がシュート

13分 1-1 得点=桐蔭=FW高山寛正(3年)
*MF保井隆志(3年)の絶妙なパスに合わせて、飛び出した高山が豪快に!

32分 2-1 得点=城西=室屋
*大迫勇がドリブルからシュート→こぼれ球を室屋がシュート

48分(後半8分) 3-1 得点=城西=大迫勇也
*FW野村章悟(3年)からのパスを受けた大迫勇がドリブルで相手守備陣をかわして、華麗に!

54分(後半14分) 4-1 得点=城西=大迫勇也

56分(後半16分) 5-1 得点=城西=野村
*大迫勇からのパスを受けた野村が相手DFを切り返しなどで、かわしてシュート

68分(後半28分)5-2 得点=桐蔭=FW高山寛正

 数字だけを見ると惨敗のように見えるが、大阪桐蔭は大健闘した。同点に追いついた後は、中盤からボールを丁寧に“つなぐ”サッカーを実践して、やや優勢に進めた時間帯も、あった。前半終盤にカウンターで2点目を奪われたものの、桐蔭のリズムは悪くなかった。3点目を奪われるまでは、勝機すらある、と感じたほどだった。

 しかし、すべてを大迫勇也1人が変えてしまった。中でも圧巻は5点目。複数の選手に寄せられたにも関らず、大迫は落ち着いて、右方のスペースにパス。そこには野村が走りこんでいた。パスも出せるからこそ“いっそう”怖い――。大迫勇の真骨頂だった。

 もし、桐蔭守備陣が例えばマンツーマン・マーク・プラスαの守備重視スタイルに変えていたら、こんなに大差には、ならなかったかもしれない。しかし、「今まで、目先の勝利ではなく、サッカーの質をあげようという意識で、やってきた」(永野監督)桐蔭は最後までライン・ディフェンスで挑んだ。

 だから、決して惨敗ではない。これこそ高校サッカーの“あるべき姿”ではないかとすら感じたほど、清清しい完敗だった。

<写真>鹿児島城西は猛攻5得点でベスト16進出
(取材・文 木次成夫)

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