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[選手権]鹿児島城西・大迫勇也 和製クライファートの真骨頂(鹿児島城西vs大阪桐蔭)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[01.02. 第87回全国高校サッカー選手権2回戦 鹿児島城西(鹿児島) 5-2大阪桐蔭(大阪) 柏の葉]

 06年末に初めて取材した際、線は細いながらも、自陣に引いてパスを受けた後のスムーズな反転に驚いた記憶がある。「サッカースタイルに魅力を感じたのが(城西を選んだ)、きっかけです」。当時、大迫勇也(3年=鹿児島城西)はこう語っていた。
 高さ、あるいはリーチの長さなど、天性のフィジカル能力を生かしたプレーだけでは満足できない思いが感じられた。パスを受けるための動きに入った瞬間から、トラップ以降のプレーのイメージが、あった。例えば、90年代中盤以降、アヤックス(オランダ)の栄光を演出したFWクライファート(元オランダ代表)を髣髴させる逸材。それまでの日本では皆無のタイプだった。

 それから2年あまり。当時、178cm,66kgだった少年は、今や182cm,72kg。フィジカル勝負でも相手DFを圧倒できるまでになった。

 かつて超高校級と評された選手の中には、フィジカル面の成長が早かったゆえに際立ったパフォーマンスを発揮できた選手が多数いた。当然の帰結ともいえるが、彼らは肉体的な成長が止まった瞬間、際立った存在では、なくなった。

 大迫勇は、そんな「日本人の限界」を破ってくれるかもしれない。文頭の写真は、5点目につながるパスを出す寸前である。

 超高校級どころか、超日本級だ。
(取材・文 木次成夫)

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