beacon

慶應義塾大ソッカー部主将戦記

このエントリーをはてなブックマークに追加

最上級生のエスプリ

 第8節法政大学戦は、後半に織茂敦(4年=國學院久我山高・副将)の決勝点で3-2(前半2-1)の勝利を収める事ができました。お蔭様で、前号で言っていた「新型シュート入らないウィルス」が若干治ったようで、PKですが、筆者も1得点(PKを獲得した田中奏一<2年=F東京U-18>君ありがとう。)できました。

 今日の試合、慶應大が点を決めては、法政大が点を取り返す激しい展開。その接戦をものにし、慶応大は、過密日程による苦しい3連戦を、2勝1分で終える事ができました。逆に法政大学は引き分けを挟んで3連敗のようです。
 そうした状況ゆえか、淡々と整列する他の法政大選手の中で、富井英司主将が、ひとりだけ涙している姿が印象的でした。1年生がスタメンに多いチームの中で、彼は、チームの不振に重責を感じているのではないでしょうか。主将ともなれば、自分の責務をこなすだけでは、リーダーは務まりませんし、常に周囲の状況を把握し、チームの全責任を担うことが必然的に求められてきます。同じ主将として、彼の涙から、切々と伝わってくるものがありました。
しかし、幸いなことに同じ状況になったとしても、私の場合は少し違うかもしれません。

私には、支えてくれる同期がいます。

 ラストシーズンとなる4年生。今節、決勝点を決めた「織茂敦」は、主将以上に献身的にプレーで示し、主将やスタッフと他の部員とのオーガナイザーとしての役割を担ってくれています。「中町公祐」(高崎高、前湘南)は、ピッチ上では、抜群の統率力を発揮し、一つのパス、一つのシュートでチームのベクトルを一方向に導く力があります。今季4得点を上げるエース「甲斐悠佑」は、慶應湘南藤沢高校(SFC)卒、唯一の慶應内部生でスタメンを張るチームのアイデンティティであり、特に慶應内部出身部員の目標となっている存在です。
 また、私含めレギュラー4人の最上級生がサッカーに集中し、活躍できるのも、組織の運営面でチームを統括する「小坂井深」(主務、4年=慶應義塾高)がいるからこそなのだと思いますし、学連・学生トレーナー・審判部・マネージャー、BチームCチームそれぞれのカテゴリーで組織を高める最上級生が、主将の重責の一端を担ってくれます。試合に負けても、皆が同じように責任を感じてサポートしてくれるのが今の慶應大です。

 結果が伴っているからというだけではなく、同期の支えに助けられ、恵まれた環境の中でチームリーダーを務めることは、本当に楽しいことです。勿論、同期意外にも献身的な部員全員に支えられていますが、前期も残り三試合、最上級生の求心力で全勝・首位ターンを目指します。

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

TOP